ろく ページ7
Aside
否定もできなかった。私がやっている!って、主張もできなかった。
家に帰ってすぐ、ご飯も食べずに私は二階にある自室へと向かった。
鞄を抵当に置いて、ベッドに突っ伏した。
くるしい
この思いを、あと2年も続けなくちゃいけない。
一層の事、辞めてしまおうか、なんて、
プルルルルルルル……
ベッドの横に置いておいたスマホが、無機質な音を奏でた。
差出人は及川さんだった。
A「……もしもし」
及川「Aちゃん、なんかあった?
岩ちゃんから、聞いた。何があったか言ってみて?」
やっぱり、伝わってしまっていたのか。
A「何も無いですよ、ちょっと転んで、泣いてただけです」
嘘をついた私に目を瞑るように、そっと目を閉じた。
及川「嘘、バレバレだよ。電話越しでもわかる。
これでも5年の付き合いだよ?舐めないでよ、A」
及川さんが、私を呼び捨てにした。
本気だ。
A「……ほんとに、全然、大丈夫です」
バレーボールは、チーム競技だ。
青城のチームワークは、県でもトップクラスだと踏んでいる。
そんな素晴らしいチームの和を、私一人が乱していいはずがない。
・
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・
私は、青い城を、守りたいんだ。
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A「及川さんには、言えません
誰にも、言えません。」
私は目を開いて応えた。
及川「………わかった。今は、ね。
でも、抱え込んだりしないで、お願いだから。
Aには、壊れて欲しくない。」
電話を切っても尚、及川さんの声が頭から離れなかった。
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奏 - めちゃくちゃ面白かったです!今まで見た小説の中で一番感動したかもです。これからも応援しています頑張ってください! (12月17日 22時) (レス) @page47 id: 3dd8da6ef4 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - 感動しました。いつもタブレットはリビングで使っているのですが、泣いている私を見て、両親がむっちゃ焦ってました。小説で泣いたの始めてです。最後の青い城は、今日も平和だ。という言葉とっても素敵です。お疲れ様でした (2022年10月16日 20時) (レス) @page42 id: 1c719ec638 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - かしわもちさん» そう思っていただけてとても嬉しいです!!ありがとうございます! (2022年8月1日 22時) (レス) id: 742fb4603b (このIDを非表示/違反報告)
かしわもち - 夢主ちゃんは「凄いな」と思いました!私も見習いたいです。(嫌がらせを受けてるわけじゃありませんけど)なんかすみません上から目線みたいな言い方になってしまって………。とても面白かったです!!! (2022年7月27日 18時) (レス) @page47 id: 82b6cff03d (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - マロンさん» コメントありがとうございます!感動していただけてとてつもなく嬉しいです、、、!! (2022年5月12日 0時) (レス) id: 9c22394b1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:太宰亜里沙 | 作成日時:2020年1月4日 23時