青い城から捨てられた。【青葉城西】

Anotherstory5 ページ47

Aside


徹くんの志望校の合格発表日


徹くんは見事、第1志望の東京の大学に合格した。




及川「A！俺合格したよ！」




A「ほんとですか！おめでとう！」




まだ慣れないタメ語と敬語が混雑しながら祝福の言葉を口にした。
離れるのは寂しいけど、徹くんの夢を応援したい気持ちの方が強かった。


及川「絶対、Aが惚れ直しちゃうくらい格好いい男になってくるから」





そんなこと言われたら、もう既に惚れ直しそうです。






・



数ヶ月後＿



及川「じゃ、俺行ってくる！俺が居なくなったからってAにちょっかいかけんなよお前らー」




徹くんが東京に行くと聞いて、バレー部総出で新幹線まで駆けつけた。

岩泉「心配すんな、俺らがAの相談乗ってやるからよ」


いよ「東京でも頑張ってください！」


矢巾「A泣かせたら俺が貰いますからね〜」



みんな言いたい放題だ



及川「やはばんが一番怖いんだけど…」



徹くんはそう言って身震いをさせると、ふっと私に目線を向ける。


及川「A、寂しい思いさせるけど、許して欲しい。

辛くなったら、いつでも電話してね、

俺、Aから電話くれなかったら毎日かけちゃうから！」



A「…毎日でもかけてください。

待ってます」





そう言うと、徹くんは満足そうな顔をして私たち全員を見渡した。






及川「こんな風に見送ってくれる人がいるなんて、俺は幸せもんだね。










じゃ、行ってくるよ」











「行ってらっしゃい！」










そう言って私たちは、新幹線が見えなくなるまで手を振り続けた。






見えなくなったと同時に、足に力が入らなくなってしゃがみこむ。





岩泉「よく我慢したな」



花巻「お前すげぇよ」



松川「及川もきっと安心してるよ」




そう言われて頭を撫でられると、視界がますますぼやけた。
















拝啓、徹くん。














貴方はきっと、向こうでも沢山輝いて、自分の道を歩んでいくのでしょう。






今はまだ、近くでそれを応援できないけど、






私が大人になって、あなたに近付けたら、




















徹くんの1番傍で、貴方を見守らせてね。

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