Happy Valentine! 番外編! ページ31
つゆりside
なんて悩んでいるうちに部活が終わる。
マジでいつ渡せばいいんだ…?
「つゆりー」
『何ですかクロさん』
「何か俺に渡すモンなーい?」
まさかのあっちから貰いに来てくれた。
ラッキー。
『帰る時に渡しますから。ただ、本命じゃないんで』
「そんな悲しいこと言わないでよ」
クロさんは眉を下げる。
何でこんなに申し訳ない気持ちになるんだ…?
こいつ、ヤバいな。
絶対ワザとだって。
帰る前に、一応チョコの数を確認した。
…オッケー。
『はいみんな、バレンタインだからチョコ作ったよー取りに来てー』
受け取る時に頭下げてまでお礼してくれる1年ズ。
可愛いよー!!
…山本に渡した時、硬直も何もしてなかったから、あいつ私のこと女子として見てねえな。
夜っくんに渡したら、満面の笑みを返してくれた。
さすが天使。
「ホワイトデーに何か返すからな」
って言ってくれる海さんマジ紳士。
『はい、これクロさんの分。てか、研磨いないんですけど…』
「ひぐっちゃんに捕まってんだろ。どうせお前ら一緒に帰るんだから、その時に渡せば?」
『そうですね』
しばらくすると、研磨が私たちのところに帰ってきた。
げっそりしてるから、恋愛関係の話だったのかな。
研磨は恋愛に不慣れだからね。
「…帰ろ」
『うん。げっそりした顔してるけど…大丈夫?』
「…恋愛ってめんどくさい…」
…お疲れ様デス。
帰り道、別れる前に、チョコを渡した。
「…くれるの」
『うん、あと…これも』
研磨には、もうひとつ渡すものがある。
それを見た瞬間、研磨の目が輝いた。
「アップルパイ…!」
『みんなには、あげてないんだけど。でもさ、やっぱりこうして楽しくマネージャーやれてるのも、研磨が誘ってくれたおかげだし。だからこれはそのお礼』
「…ありがと」
『じゃーね、研磨。また明日』
「うん…いつか俺もこれのお礼するから」
『うん、楽しみにしてる』
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研磨「…月が綺麗ですね、で伝わらなかったのに…次はどうやって伝えたらいいわけ。これも絶対本命じゃないし…はああああ……」
盛大なため息をつく研磨であった。
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作者名:tonight | 作成日時:2023年1月1日 17時