音駒の女マネは迷走中。【ハイキュー×イナオリ】

大事で大切な ページ12

つゆりside












…何でこんなことになったんだろ…
















何でみんな、私を囲むように立ってるわけ。



















おまけに私座ってるからさ、圧が。



















圧がすごい。



















…私のトラウマについて話すんだよね？



















圧かける必要なくないか…？



















『…あの』



















誰も喋らないこの状況が気まずくて、私は口を開いた。



















『…何か聞きたいことでもあるんですか』



















クロさんから、みんなに話はしてもらった。



















だから、みんなが聞きたいことでもあるのかなと話を切り出したのだが。



















「…そうじゃねえよ」




　














夜っくんが口を開いた。



















「みんな…つゆりのこと心配してんの」



















『…え』



















「お前らマジ口下手だなー、普通に"心配です"って言えばいいのによー」



















夜っくんはそうぼやく。



















「…サッカーも頑張って、マネもやって、勉強もして、1人で全部抱え込んで…」



















夜っくんがポツリ、ポツリと言葉を紡いでゆく。



















「普段から心配なのに…記憶にも悩まされて…神様って不平等だなって、思った」


















「…つゆり」



















今度は、研磨が話し出す。



















「…つゆりはね、俺の大事な幼馴染で、俺たちの大切なマネージャーなの」



















『…うん』



















「だからね、つゆりは自分のこと…もっと大切にしてほしい。みんな思ってるよ」



















『！！』



















研磨は私の近くに来て、しゃがんで目線を合わせた。



















そして、優しく私の頭を撫でた。



















『…心配かけてごめん、みんな』



















『…あと、みんなにそう思ってもらえて嬉しいな』



















ふと顔を上げると、安心したように笑うみんながいた。

風に吹かれて→←作者からのお願い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す