潜君は学習しない。【潜尚保】 (ページ3)

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２日目ページ3

Aside

『行ってきまーす』

誰もいない家に、私の声が響く。

おっと、鍵閉めなきゃ。

鍵閉め忘れると、兄さんにめちゃくちゃ怒られるしな。

———ガチャ。

なんて思いながら、鍵を閉める。

入学初日から、遅刻なんてよくないもんなあ。

『えーっと…この電車に乗ればいいのかな…？』

兄さんが事前に書いてくれたメモを見ながら、乗る電車を探した。

ここで乗る電車間違えたら、兄さんに殺される((

電車内で同じ学校の制服着てる人を見て、この電車で当っているんだとほっとした。

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『…でか』

今日から私が通う高校———戸美学園。

中学との校舎のスケールとの違いにまず驚く。
その後、他の入学者の子たちの髪型に驚く。

私髪とかしていつもよりちょーーっとだけ前髪凝っただけなんだけど…。

なんて思っていると、1人の男子に目が止まった。

寝癖を放置しっぱなしの髪。
眠そう…気怠そうな目をしている。

この時の私は、まさかこの男子———潜尚保に、私の平穏な高校生活がかき乱されることになろうとは、思ってもいなかったのだ。