声 ページ47
つゆりside
『クロさん!?』
―――やばい。
殺される…！
そんな私を見て、クロさんは意地悪な顔をした。
「あとでお説教な？」
終わった。
「牛若よお、お前監督が探してっぞ」
「そうか。光宗、すまない」
『ハイ…』
やばい。身が持たん。
「ご愁傷様」
…白布うっざ。
「じゃあつゆり、お説教な」
終わりました。泣くぞ。
クロさんと部屋の外に出る。
「で？つゆりは何で白鳥沢の部屋にいるわけ？」
『‟講師”だからです』
「…まあそんなことだろうとは思ったけど」
クロさんはため息をつく。
「でもさ、距離近すぎない？」
『え…』
「すごい、心配。変な男に寄られないかなって」
突然、腕を引っ張られて、強く抱きしめられる。
『…クロさん痛い』
「…ごめん」
少し力が弱くなる。
でも、とクロさんは言う。
「マジで心配してるの。俺は。ね？」
『…すいません』
「もっと俺らの傍にいてよ…」
クロさんのその一言で、この合宿中、音駒の皆の傍にいられてなかったことに、気付いた。
…クロさんのこんなか細い声…初めて聞いた。
相当弱らせちゃったのかもしれない。
『じゃあ、今日は音駒のみんなのところにいますね』
今の私に出来ることは、それだけだ。
「…ありがとな」
クロさんは微笑んだ。
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これで年内最後の更新となります！
皆さん、よいお年を！
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作者名：tonight | 作成日時：2022年11月22日 20時
