ナンパ ページ3
つゆりside
永世を出たところで、電話に出た。
『…もしもし』
〈おーおー、元気そうだな〉
『お久しぶりです、クロさん。今音駒に向かってて』
私は永世から直接音駒に向かうことにしたのだ。
〈じゃあ迎えに行くな。駅前で待ってるから〉
『ありがとうございます。これから電車乗るんで、電話一旦切りますね』
〈おう〉
電車に乗った。
というか…私が今着てるジャージ、永世のなんだけど…
音駒のジャージ家帰らないとないな…どうしよ。
ま、いっか←
電車に揺られつつ、色々なことを考えていたら、いつのまにか駅に着いていた。
降りなきゃ。
改札を通って、クロさんを探す。
とーーー
突然、何者かに腕を掴まれた。
「おねーさん美人だね」
「今からオレらと遊ばない？」
『遊びません黙れ』
なんか…金髪の集団に捕まった。
いやピンクの奴もいるな。
これが俗に言うナンパというやつか。
「わー怖」
「そんなこと言わずにさあ…」
『腕離しやがれ』
「本気出した男って怖いんだよ？まだオレらに逆らう気？」
「はやくオレたちと一緒に遊b「ウチのマネージャーに触らないでくれる？」…あ”？」
また、違う誰かに腕を引っ張られた。
でも、すごく安心感がある。
見上げるとーーー
『クロさん！？』
「ようつゆり」
クロさんは金髪集団に向かうと、
「失せろ」
と一言だけ言った。
クロさん怖えええ。
その一言で金髪集団逃げてったよ。
「ったく。つゆり何してたんだ？」
『いやこっちは迷惑かけられた方なんで。被害者なんですけど？』
「冗談冗談。見てたらわかるよ」
何なんこの人。
「…というかさ」
『何です』
「ジャージ、音駒のじゃないわけ？」
『今持ってないんで』
「何か他校って感じがしてやだな」
いや、ないのはしょうがなくない？
クロさんは暫く考えると、ジャージの上を脱いだ。
「つゆり、脱いで」
『ジャージを？』
「ほら早く」
私がジャージを脱ぐと、クロさんは自分のジャージを私にかけた。
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作者名：tonight | 作成日時：2022年11月22日 20時
