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Aside








レイン君に、ここまで突き放されたのは初めてだ。






上手く息ができない。ヒュー…という音が止まらない。
ぼろぼろと溢れる涙は、私の視界をぼやけさせた。






「A!!」





視界がぼやけて顔は分かりにくいけど……この声は……






『マッ、クス』





「どうしたんだ!?」





マックスは、私を安心させるようにギュッと抱きしめた。





『ひぐっ……マックス……』





「うんうん、聞いてるぞ」





『……私、レイン君の気に触るような事したかなあ……?何もしてない筈なのに……何で……』






そんな私を見て、マックスは更に私を引き寄せた。






「じゃあ一旦部屋に行こうか。もうこの後授業ないしね。……ごめん、Aの教科書持ってもらえるかな」




マックスにそう言われた友達は、私の教科書類を拾い上げて持ってくれた。




部屋に着くなり、友達は気を遣ってくれたのか、「私部活だから」と出ていった。





今朝部活ないって言ってたのにね。
本当に優しいな……






「大丈夫?落ち着いたか?」





『……うん。ありがと、マックス』






「何があったか、聞いてもいいか?」






それから私は、マックスに全てを話した。




ワース君に告白されてから、レイン君に避けられるようになったこと。


必要以上に、話しかけるなと言われたこと。


こんなに冷たいレイン君は、初めてだということ。






マックスは、取り留めもなく溢れる私の言葉を、真剣に聞いてくれた。





「……へぇ、そんな事が」




『マックスに対するレイン君は変わりない?』




「ああ。確かに、言われてみればAとレインが2人で話してるの、最近見なかったな」





そしてマックスは、彼の見解を述べた。





「多分……レインは、Aとワースが付き合ってるって、勘違いしてるんじゃないかな」





『勘違い……』





……確かに、あり得るかも。





「そう勘違いしているのなら、レインがAを異常なまでに避けてるのも納得できる」






……これは、レイン君の優しさだったんだ。



レイン君は、周りから何でもできるって崇められてるところがあるけど、実は"丁度いい"ができない不器用な男の子。




私との距離感を測りかねていたのかもしれない。




そう思うと、何だか気持ちが楽になった。

・→←神覚者代理の複雑な気持ち



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ミルメーク(プロフ) - 完結おめでとうございます!新作是非描いてもらいたいです!そこでリクエストなのですがウォールバーグには姉がいてアダムの第一弟子でイノゼロの初恋相手ーみたいな感じで書いて欲しいです! (4月27日 16時) (レス) @page49 id: b3b06100e3 (このIDを非表示/違反報告)
山羊のサーカス(プロフ) - 完結おめでとうございます!最高の作品でした!!本当にありがとうございました! (4月27日 10時) (レス) id: ed09130390 (このIDを非表示/違反報告)
梨花 - 最高すぎます💕💗💓ニヤニヤがとまりませんよー!お体に気をつけて更新頑張ってください!! (3月30日 21時) (レス) @page5 id: 8453adea14 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tonight | 作成日時:2024年3月28日 14時

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