愛の誓いを ページ49
Aside
再びオーターさんと腕を組んで歩き出す。
目と鼻の先に、レイン君はいる。
オーターさんが止まる。
するりと腕が抜けて、オーターさんと向き合う形になった。
「A」
オーターさんの優しい声が私の名前を呼ぶ。
オーターさんは、私をそっと抱きしめた。
普段のオーターさんからは考えられない行動だ。きっと見ている神覚者の人たちは目を見張っているだろう。
でも、ワース君や私が幼い頃、オーターさんは私たちを何回も抱きしめてくれた。
「……幸せになれ。Aは、今でも私の大切な……”家族”だからな」
血縁関係はない。
幼い頃、一緒に暮らしただけの話。
……それでも、家族、と言われたのが無性に嬉しかった。
『……ありがとね、オーターお兄ちゃん』
「……ああ」
オーターさんからそっと離れて、レイン君の手を取る。
その手は、あの頃と変わらない、なんだか落ち着く手。
レイン君と腕を組んで歩き出した。
神父さんの前につくと、参列者の人たちの讃美歌歌唱が始まる。
誓約を終え、指輪の交換をする。
レイン君が私の手を優しく取って、薬指に指輪を通す。
いつもそうだ。
レイン君の私に触れる動作はいつも優しい。
手を取る時、腕を組む時、頬に触れる時、頭を撫でる時。
あげていけばキリがないけど、レイン君が私を大切にしてくれているとわかって、なんだか嬉しかった。
私もレイン君の手を取って、薬指に指輪を通す。
「……では、誓いのキスを」
神父さんにそう言われ、レイン君と向き合った。
今日のレイン君は、いつもに増してかっこいい。
なんだか眉間の皺も少ない気がして、ふふ、と笑みがこぼれた。
レイン君が私の腰を引き寄せる。
ベール越しに目が合うと、レイン君は目を細めた。
レイン君の手が、ベールを上げる。
落とされたキスは、人生で一番甘くて、優しかったんじゃないかと思う。
『……だいすき』
そう小声で伝えれば、
「……オレは愛してるがな」
と返ってきた。
2人で目を合わせてふふ、と笑って、神父さんの方に体を向ける。
再び組まれた腕が、さっきより頼もしくなったのは気のせいかな。
終わり
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ミルメーク(プロフ) - 完結おめでとうございます！新作是非描いてもらいたいです！そこでリクエストなのですがウォールバーグには姉がいてアダムの第一弟子でイノゼロの初恋相手ーみたいな感じで書いて欲しいです！ (4月27日 16時) (
レス) @page49 id: b3b06100e3 (このIDを非表示/違反報告)
山羊のサーカス(プロフ) - 完結おめでとうございます！最高の作品でした！！本当にありがとうございました！ (4月27日 10時) (レス) id: ed09130390 (このIDを非表示/違反報告)
梨花 - 最高すぎます💕💗💓ニヤニヤがとまりませんよー！お体に気をつけて更新頑張ってください！！ (3月30日 21時) (レス) @page5 id: 8453adea14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tonight | 作成日時：2024年3月28日 14時
