神覚者代理は、今日も誰かと手を繋ぐ。#2【MASHLE】

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Aside









結局その会議は、神覚者とお兄ちゃんの尽力もあり……私は解雇されないという決断に至った。






肩の力がどっと抜ける。
それと共に、我慢していた涙も溢れ出す。







「！？ど、どうしたんだA！折角の綺麗な顔が台無しじゃないか！！」






『ひ、ひぐっ……オ、オーターさんが……』





「キスのことならいくらでも謝りますよ……あれは完全に私が悪いです」






オーターさんは慌てたように私の頭を撫でるけど、そういうことじゃない。





『み、みんながああ言ってくれたのが、……嬉しくて』






私がそう言うと、神覚者たちは笑顔を見せてくれた。





『お、お兄ちゃんも怖かったし……』





「……だそうだがヴォーズ」





オーターさんがお兄ちゃんをギロ、と睨む。





「いやあ〜、ちょっと……というかだいぶ腹立っちゃって……てか自分のやったことを棚に上げておいて何言ってんだよオーター！！何キスなんかしちゃってんの！？」






「必要だったからしたまでだが」






ちなみに私のファーストキスだったけどなあ。






「……ならいいか」





よくないよ。






『レイン君もありがと。嬉しかった』





「……忘れてくれ」






そう言うレイン君の耳は真っ赤だ。






『やだよ、絶対忘れない』





「はあ！？何でだよ」





『嬉しかったことは忘れられないからね』






優しくて温かくて……オレ達の心の拠り所、か。






『人生で一番褒められた気がする』





「……そうか」





『本当にありがとね』






心の、拠り所。





心の中で復唱して、幸せを噛みしめる。





『……レイン君』





「何だ」






『あのね、レイン君も私の＿＿＿＿＿』







＿＿＿＿＿＿心の拠り所だよ。






そう伝えれば、彼は困ったように微笑んだ。

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