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Aside
「目覚めたと聞きましたが……体調はどうですか」
『強いて言えば体動かしてなかったんでめちゃくちゃ痛いってことぐらいですね』
今私は、お兄ちゃんと一緒に来てくれたオーターさんと話をしている。
お兄ちゃんとレイン君はどこ行ったかって?
______……って、なんだそういうことか。邪魔してごめんねレイン君。
なんか嬉しそうな顔して、レイン君を病室の外に拉致していった。
あの人の魔法が魔法だからか分かんないけど……異常なほどに察するのが上手いんだよなあ……
どこ行くの?と聞けば女子会ならぬ男子会☆と言い残して颯爽と消えていった。何が楽しいんだろうか。あとでレイン君に謝ろう。
「……本当に良かったです。特に、レインやヴォーズの落ち込み様は酷かったので」
『……オーターさんは心配してくれなかったんですか』
「!」
オーターさんを困らせているという自覚はある。
だけど……聞きたいものは仕方がないのだ。
「心配したに決まっているでしょう。だから、もう心配かけないでください」
オーターさんは優しく微笑んで、私の頭を撫でた。
_______じゃあ2度と心配かけないって約束して。
ワース君と言っていることが同じことに気づいて、思わず笑みがこぼれた。
病室の扉が開く。レイン君とお兄ちゃんが帰ってきたようだ。
『ごめんね、レイン君。お兄ちゃんが迷惑かけて』
「いや……迷惑なんかじゃない。大丈夫だ」
「妹が辛辣すぎて泣くんだけど」
それからお兄ちゃんは、私の方に向き直って言った。
「……無茶と実力は別物だからな」
『……ごめんなさい』
お兄ちゃんの目は酷く冷たかった。
……久しぶりだなあ、この感じ。
今でこそ人当たりの良いお兄ちゃんだけど、学生時代は”冷徹王子”なんて呼ばれていたそうで……当時の人達はこんな気持だったんだなあ……
「お前のサーズは明らかに無茶した結果だ。それで意識を飛ばしたんじゃ話にならない」
やばいぞ。
お兄ちゃんがかつてないほどに怒っている……
「そもそも___「いい加減本心を話せヴォーズ」……」
そんな時、オーターさんが口を挟んだ。
「……ったく、オーターは何でもお見通しだな」
半分呆れたような口調で言うお兄ちゃん。
お兄ちゃんは、観念したように私に抱きついた。
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ミルメーク(プロフ) - 完結おめでとうございます!新作是非描いてもらいたいです!そこでリクエストなのですがウォールバーグには姉がいてアダムの第一弟子でイノゼロの初恋相手ーみたいな感じで書いて欲しいです! (4月27日 16時) (レス) @page49 id: b3b06100e3 (このIDを非表示/違反報告)
山羊のサーカス(プロフ) - 完結おめでとうございます!最高の作品でした!!本当にありがとうございました! (4月27日 10時) (レス) id: ed09130390 (このIDを非表示/違反報告)
梨花 - 最高すぎます💕💗💓ニヤニヤがとまりませんよー!お体に気をつけて更新頑張ってください!! (3月30日 21時) (レス) @page5 id: 8453adea14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tonight | 作成日時:2024年3月28日 14時