冷たきヴィランは仮面を被る。【荒野の反逆者&深海の商人】 (ページ47)

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Aside

「ジェイド、フロイド。お客様のお見送りを。3日後を楽しみにしていますよ」

＿＿＿＿＿ハーツラビュル寮

モストロ・ラウンジの業務から解放されたエーデュースと一緒に寮へ帰れば、眼前にはトレイ先輩の顔。
手首はがっしりとケイト先輩に掴まれている。

「事情は聞いたぞ？だから少しは許容したけどな……今何時だと思ってるんだ？」

「こんなに遅くなるのなら、連絡欲しかったかな〜」

『ひぇ……』

いや、別に悪いことしてないのに。
まだ10時半だよ？俺高校生だよ？そんなに心配されることか？

「2人とも、少しは許してやってくれないかい？彼は悪い事をした訳じゃない。友人を助けようとしただけなんだ」

リドルが助けてくれようとしたが……

「ごめんなリドル。今回ばかりは譲れないんだ」

「てかもう許容済みなんだよね〜……“少し”は」

「ひぇ……」

リドルも巻き込んでしまった。ごめん。

おいそこで涙流しながら腹抱えて笑ってるエース！
こちとら笑ってる場合じゃないんだよ！！

デュースも笑ってるけど、我慢してるので許します。

「連絡してくれるだけでいいんだ。今度からそうしてくれないか？」

「安否確認がしたいだけだから。ね？」

……そういや、いつも言われっぱなしで、俺この2人に反抗した事なかったかも。
言われっぱなしは、悔しい。

『……俺……こ……から』

「何だ？」

『…………俺！高校生なの！！だからもっと信頼してくれないかなあ！？いつまでも赤ちゃんじゃないんだよ！？2人とも俺のこと何歳だと思ってるの！？俺17だよ！？17歳はこの時間に帰ってきてももっと信頼されて然るべきだと思う！！別に2人のこと嫌いじゃないよ！？むしろ好きだけど！でもやっぱりおかしいよ！？』

口を開けたら、今まで思ってたことが溢れ出して止まらなくなった。
でもちょっとスッキリしたかも。

それとは対照的に、俺のセコムたちは笑顔のまま動かない。
エースは笑い転げて、デュースも耐えられなかったのか声を出して笑っている。
リドルは唖然としているのか、目をかっ開いたまま動かない。

カオスってこの事だなあとぼんやり思った。