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Aside
＿＿＿＿＿モストロ・ラウンジ VIPルーム
「なんだここ……本当に学校内か？でかい金庫があって……銀行みてぇだ」
「さあ、突っ立って入り口を塞いでいないで。奥へどうぞ。それで？僕に相談というのは？」
アズールにそう聞かれて、ユウは
「下僕にしている生徒たちを自由にしてほしいです」
と答えた。
「はっはっは、これはまた……突然横暴なことを仰いますね。僕と契約した生徒、225人の解放ですって？」
「225人！？」
そんなに契約していた生徒がいるなんて。
「今年はジェイドとフロイドが、精力的に営業活動をしてくれましてねぇ……おかげさまで、たくさんのお客様と取引させていただきました」
“今年は”……去年もやっていたということか。
確かに去年も、同じような話を聞いたような……
「さて、ユウさん。あなたは生徒たちを自由にしてほしいと言いますが、僕は彼らに、不当な労働をさせているわけではありません。彼らは契約書の内容に合意し、僕と“契約”を交わした。“契約”は“可哀想”だとか、そんな感情的な理由で他人が口を挟めるものじゃあないんですよ」
「……一昨日きやがれってことッスね」
「ええ、その通りです」
……ここまでくれば、あとやれる事はひとつ。
『じゃあ、俺も取引する』
「だったら、自分も取引をします」
ユウも同じ考えだったようだ。
俺らが相談してもダメなようなら、アズールと取引すればいい。
「！？おい、お前何考えてんだ！？」
「ダメッスよ、取引なんか！！」
サバナクローの2人は止めようとするが、俺にやめる気はない。
「ほう。僕と取引をしたいと？面白いことを仰る」
「あはっ、2人とも度胸あるじゃん」
アズールは少し考え込むようなそぶりを見せた。
「……ふぅむ。あなた方が僕と取引したいのは分かりましたが……しかし困りましたねぇ。確かユウさんは魔法の力をお持ちでない。美しい声もなく、一国の跡継ぎというわけでもない。ほんとうにごく普通の人間だ。それだけ大きなものを望むのでしたら、相応の担保が必要です」
「担保、だと？」
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作者名：tonight | 作成日時：2024年1月30日 11時
