本編に戻ります！ ページ37
Aside
＿＿＿＿＿翌日
ユウによると、今日はジャックと2人でアズールの観察をするらしい。
授業をサボって。
……まあ学園長からの頼みだし、大目に見てくれるだろう。
てかジャックもサボるんだ。ちょっと意外だな。
アズールの授業の成績は、体力育成……特に飛行術以外は優秀。
弱みなんかあんまりないと思うけどな……
「A〜」
隣に座るラギーが俺の名前を呼んで、ギューっと抱きついてくる。
うーん。なんかあの一件……連続傷害事件があってから、ラギーのスキンシップが増えたような……
『なあラギー……最近どしたの』
「……嫌ッスか？」
『んーん、全然。でもラギーがなんか、不安に思ってることあるのかなって』
そう言うと、俺の制服を掴むラギーの手に力がこもる。
そして一言、
「……怖い」
と言った。
『え、俺なんかラギーに嫌なことしちゃった？』
「…………違うッス。このまま手を離していたら、Aが消えちゃいそうなのが怖い……」
か細い声で、ラギーはそう言った。
……俺がラギーとクルーウェル先生に打ち明けたこと。
先生はよく話してくれたって褒めてくれたけど、もしかして、ラギーは必要以上に心配してたのかな。
『……大丈夫、消えないよ』
俺はラギーの背中に手を添える。
ラギーを、大切な友達を。
全部置いてって消えるなんて、到底できないから。
『……大丈夫、大丈夫だから』
安心させるように、ラギーの頭をそっと撫でた。
＿＿＿＿＿食堂
『お、アズールじゃん』
「おや、Aさんにラギーさん。昨日ぶりですね」
『今日一緒に食べてもいい？』
「ええ、もちろんですよ」
ユウたちが頑張ってるし、俺もちょっとアズールに探りを入れてみるか。
「昨日はジェイドがすみませんでした。無理矢理誘ってしまって」
『大丈夫だよ、別にキノコ嫌いじゃないしね』
「そうですか、それは良かった。ところで……」
アズールは俺のランチに目を移し、そしてラギーの方を見る。
「ラギーさん」
「何スか？」
「彼のランチ、いくらなんでも少なすぎでは……」
その話題もうやめよう！？
だからこれで足りるんだって！！
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作者名：tonight | 作成日時：2024年1月30日 11時
