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Aside
「まずはこのラウンジの清掃をしてもらいましょうか。次に食材の仕込みを。さあ、立ち上がってキリキリ働きなさい！」
「マジかよ……」
「ジェイド、フロイド。新入りの指導は任せましたよ」
「はい」
「は〜い」
ジェイドとフロイドは返事をした……が。
ジェイドだけ、なぜかこっちに向かってくる。
『……おいジェイド。お前も行けって』
「Aさん。まさかあのお約束、お忘れではないでしょうね？」
ジェイドは微笑んだまま、俺の肩をガッシリ掴む。
『え〜っと、もしかして……』
「ええ。スパイ行為を見逃す代わりに、山を愛する会の活動に付き合っていただく、とお話をした筈ですが」
『そ、そうだな』
そういえば、連続傷害事件について調べてた時に、リーチ兄弟に追いかけられて、ジェイドにそんな事を言われたような……
「再来週の土曜日なんてどうでしょうか」
『……わかった。俺もその日は空いてるんだ』
「ありがとうございます。では、詳細は追って連絡しますので」
『ちなみに何するんだ？』
「キノコの採集です。もしかして……Aさん、キノコはお好きでない？」
ここで好きじゃないなんて言ったら殺される。
いや別に嫌いじゃないけども。
『ま、まあ……特別好きってわけではないけど……』
「そうですか……」
ションボリ……というテロップが出そうなほどわかりやすく落ち込むジェイド。
これはわざとなのか？それとも本気なのか？
『あ、でもほら、俺はあのー……コウバイタケは好きだよ！！小さくて可愛くて！！』
「！そうですか。Aさんはコウバイタケがお好きなんですね。可愛らしいですよね、あのフォルム」
『うん！！一緒に色んなキノコ見つけような！！』
「はい。では」
ジェイドは嬉しそうに去っていった。
……危機一髪だった。よかった、たまたまキノコの本を読んでて。
そして、今度はアズールが歩み寄ってくる。
「サバナクロー寮のジャック・ハウルくんにオンボロ寮のユウさん……そして、Aさんにラギーさん。あなたたちもどうぞお引き取りを。次はぜひ、お客様として店においでください。いつでも歓迎しますよ」
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作者名：tonight | 作成日時：2024年1月30日 11時
