深海の商人 ページ21
Aside
＿＿＿＿＿教室
「よし仔犬ども、授業を始めるぞ。行儀よくおすわりしろ。今日はまず、テスト返却を行う」
先週、期末テストがあった。今日はその返却日だ。
「では出席番号順にテストを取りに来い。1番！」
出席番号順に、俺もテストを受け取りに行く。
「惜しかったなギルテッド。もう少しだ」
先生にそう言われたので、テストを見ると赤ペンで大きく“98”と書かれていた。
『う〜……』
「どうしたんスか、唸り声なんかあげて。どれどれ……って、十分高いじゃないッスか」
隣のラギーが俺のテストを覗き込んでくる。
『だってあとここだけだったんだもん……』
まさかの1ミス。
しかも絶対に間違ってないだろうと思っていたところなので、余計にショックだった。
『ラギーはどうなんだよ』
「オレッスか？Aとは比べものになんないスけど……」
そう言いつつも、テストを見せてくれるラギー。
そこには、大きく“89”と書かれている。
『比べものにならないとか言うなよ、十分すごいじゃん』
「いやー、90点取れなかったのは悔しいッスね……でも、この点数が取れたのも、Aと一緒に勉強したからッスよ」
『そんな事ないよ。俺もラギーにわかんないとこ教えてもらってたし。困った時はお互い様、って言うだろ？』
「……それもそうッスね」
しばらくして、クラス全員のテスト返却が終わったようで、クルーウェル先生が話し始めた。
「お前たち、今回はかなり勉強したようだな。小テストの時に比べてかなり……いや、だいぶ、ちょっとおかしいくらいに平均点がアップしている」
『え、おかしいって……どういう事ことですか？』
「よく聞いた、ギルテッド。魔法薬学のテストは、全学年が平均点90点を超えている。魔法史もなかなか良い結果だったと、トレイン先生から聞いてるぞ」
……変なの。そんな事あるんだ。
「成績優秀者、上位50名は廊下に名前が張り出されるから楽しみにしておけよ。では、授業を始めるぞ。テキストを開け」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：tonight | 作成日時：2024年1月30日 11時
