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Aside
俺は皇帝の対応を終えて、保健室に戻った。
今度も誰にも見つからなきゃいいが……
「A！！どこ行ってたんスか、心配したんスよ」
『あは……ごめん』
どうやら俺がいないことに気づかれてしまったらしく、保健室内はパニック状態だった。
『……ごめん。皇帝に呼ばれてた』
ラギーにだけ聞こえる声で、俺は言う。
ラギーは安堵の息を漏らした。
「ほら、Aはまだベッドにいた方がいいんじゃないッスか」
ラギーは俺の背中を押してベッドまで連れていく。
俺をベッドに座らせると、ラギーもその横に座った。
「……A」
『……うん』
「オレは、……」
『……うん』
「……また、Aと……友達になりたい」
『……うん。俺も』
弱々しく言葉を紡ぐラギーの手が、震えていることに気づいた。
……此奴も此奴なりに、勇気を出して言ってくれたんだろうか。
「……いいんスか」
『……いいよ。だけど……ラギー。お前がやった事は……本来は許されない事だし、俺も、お前がやったってわかった時は悲しかった』
ラギーの耳が下を向く。
『だから、受けるべき処分はちゃんと受けてきて』
「……そんなん、お安いご用ッス。またAと友達になれるのなら、全然辛くない」
『……うん。これでお前と俺はもう友達。な？』
「……ッス！」
ラギーは、今までで一番いい笑顔で笑った。
「……そうだ」
何かを思い出したかのような顔をするラギー。
「オレもAの事……大好きッスよ！」
『……ふふ、ありがと』
保健室に行く前と同じように、わしゃわしゃラギーの頭を撫でた。
荒野の反逆者＿＿＿END
BEGINS＿＿＿深海の商人
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作者名：tonight | 作成日時：2024年1月30日 11時
