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Aside
「え……っと。レオナ先輩の苦悩の種って……」
「無邪気な天使……？」
その通りだよ結莉さん。
「しかもめちゃくちゃ懐かれてるんだゾ」
「うるせぇな。……じろじろ見てんじゃねぇ！」
「ねえねえ、おじたん！次いつ帰ってくるの？来週？その次？あっ、僕のお手紙読んでくれた？」
「あー、何度も言ったろ。ホリデーには帰……痛っ、おい、腹に乗るな！」
「レ、レオナ先輩の腹にずかずかと馬乗りに！？」
「プッ……あはは！こりゃ大物ッスわ。レオナさんが実家に帰りたがらないのこういうことだったんスね」
嫌われ者、嫌われ者って言ってたくせに……ちゃんと好かれてることにちょっと安心した。
すると、レオナさんたちがいる方とは反対側に影がさした。
……誰か、人が来る。
ジャージには黄緑色のライン。
ディアソムニア寮の……
『……皇帝。どうされましたか』
俺の出身である、氷雨の国の皇帝だった。
俺の一つ下、16歳の1年生。
「倒れて保健室に運ばれたと聞いた。状態はどうだ」
『仮眠をとったので、体調は回復に向かっています。皇帝こそ、わざわざ俺のところに来るなんて……緊急ですか』
「……ああ、こんな時にすまない。動けるか」
『ええ。行きましょう』
保健室からいなくなったのがバレたくなくて、靴はその場に置いていって。
近くに置いてあったスリッパを履いて、こっそり保健室を出た。
レオナside
……ったく、チェカが来たせいで騒がしくなった。
ふざけた奴が俺のことを“おじたん”と呼んできたり……
俺は盛大にため息をつくが、チェカは構わず話しかけてくる。
「ねえねえおじたん、隣で寝ている人は誰？」
「……あ？隣……」
「あの靴、僕見たことあるよ！この間習ったの。あの靴はもう履かれないんだって。履いてた人は、
「死んだ……？」
それはおかしい。
現にアイツはさっきまで俺と戦ってて、今はそこにいるはず……
「……A？」
物音がしないついたての奥を不審に思ったのか、ラギーがソイツの名前を呼んだ。
「ちょっと、いるならちゃんと返事を＿＿＿＿＿っ！？」
「おい、どうした」
「Aが……いないッス」
ラギーは震える声でそう言う。
そんなの……アイツが亡霊だって言ってるようなもんじゃないか。
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作者名：tonight | 作成日時：2024年1月30日 11時
