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Aside
『ほらラギー、そんなに泣いたら明日瞼腫れるぞ？』
そんなに泣いたら俺のベストがビチャビチャになっちゃうよ。
……まあいいか。洗えばいい話だし、それに……
俺を思って泣いてくれたんだから。
取り敢えず、ラギーの顔を上げさせて、ポケットから出したハンカチでラギーの涙を拭く。
「ぴえええええ」
お前そんなに可愛く泣いてたっけか。
『あーほら、もう真っ赤じゃん。せっかくいい顔してるのに勿体無いな』
「……Aが生きてるからいい」
ぶー、と口を尖らせてそう言うラギー。
『……この、可愛い奴め〜！！』
わしゃわしゃとラギーの頭を撫でた。
少し離れたところでは、学園長とレオナさんが話していた。
話を聞くと、一連の傷害事件は俺たちが企てました、とレオナさんが自白すると、グリムがマジカルシフト大会に出られるらしい。
「ではまず、君たちサバナクロー寮は今回の大会を失格とします」
どうやらレオナさんが自白したようだ。
「今後の処分については、被害者のみなさんと話し合った上で決定します。いいですね？」
「……わかった」
と、その時、リドルが声をあげた。
「学園長、待ってください」
と。
「ローズハートくん？それに……みなさんは、確か」
学園長の視線の先を見ると、トレイ先輩やジャミルがいる。
ジャミルは確か……アズールと同じクラスだったような。
同じクラスになった事はないけど、アズールのクラスに行った時によく喋っているので、それなりに仲は良い方だと思う。
「はい。彼らは今回の事件の被害者です」
ジャミルもそうだったんだ。
「学園長、俺達被害者全員からお願いがあります。今回の大会、どうかサバナクロー寮を失格にせず出場させてくれませんか」
トレイ先輩がそう言った時点で、なんとなくその意図がわかった。
絶対この人、ただ単なる情けからこう言ってるわけじゃない。
試合でフルボッコにするつもりだ……(遠い目)
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作者名：tonight | 作成日時：2024年1月30日 11時
