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ほんの数年遅れて生まれたというだけで
何故こんな思いをしなくちゃならない？
どれだけ勉強しようが
どれだけ魔法を
使えるようになろうが……
生まれてから死ぬまで兄より優秀だと
認められることはなく
王にもなれない。
何故、俺は第二王子に生まれた？
何故、俺は永遠に一番になれない？
何故だ。
何故だ。
何故だ。
＿＿＿＿＿人生は、不公平だ。
……レオナさんらしいとしか言いようがないように思う。
第二王子だからこそ感じる感情や考えを、誰も理解してくれなかった。
「オイ！起きろ！！」
多分これは、レオナさんに向けられたグリムの声。
「……A、」
そして、俺の名前を呼ぶラギーの声。
すぐ近くから、ずび、という鼻を啜る音も聞こえる。
起きたら、レオナさんに言おう。
俺にとってのラギーやクルーウェル先生のような、相談できる人物に会えなかった彼に。
＿＿＿＿＿留年してても、なんだか上から目線な態度でも。
ジャックが憧れたように、レオナさんは芯の通った、すごい人だって。
ゆっくりと目を開ける。
眩しさに目が慣れなくて、何回か瞬きをした。
ふと、右手にぬくもりを感じる。
起き上がって右手を見ると、その手はラギーの両手によってしっかり握られていた。
「……A、？」
ラギーは顔をあげた。
その目は大きく見開かれていて、今にも泣き出しそ……
……ん？
ラギーの目のまわりがほんのり赤い。
それに、目の端で何かが光ったような気がした。
『お前……まさか、泣いて「う……う、う……うわぁああぁあん！！」ラギー！？』
ラギーは、起き上がった俺の背中に手を回して、顔をうずめた。
「だって……！だってだって、ユニーク魔法使った瞬間ぶっ倒れるんスよ……ぐすっ……心配になるじゃないッスか……」
ま、まさかあのラギーがギャン泣きするとは……
そう思いながらも、俺もラギーの背に手を添えた。
・ ページ13
Aside
……レオナさんらしいとしか言いようがないように思う。
第二王子だからこそ感じる感情や考えを、誰も理解してくれなかった。
「オイ！起きろ！！」
多分これは、レオナさんに向けられたグリムの声。
「……A、」
そして、俺の名前を呼ぶラギーの声。
すぐ近くから、ずび、という鼻を啜る音も聞こえる。
起きたら、レオナさんに言おう。
俺にとってのラギーやクルーウェル先生のような、相談できる人物に会えなかった彼に。
＿＿＿＿＿留年してても、なんだか上から目線な態度でも。
ジャックが憧れたように、レオナさんは芯の通った、すごい人だって。
ゆっくりと目を開ける。
眩しさに目が慣れなくて、何回か瞬きをした。
ふと、右手にぬくもりを感じる。
起き上がって右手を見ると、その手はラギーの両手によってしっかり握られていた。
「……A、？」
ラギーは顔をあげた。
その目は大きく見開かれていて、今にも泣き出しそ……
……ん？
ラギーの目のまわりがほんのり赤い。
それに、目の端で何かが光ったような気がした。
『お前……まさか、泣いて「う……う、う……うわぁああぁあん！！」ラギー！？』
ラギーは、起き上がった俺の背中に手を回して、顔をうずめた。
「だって……！だってだって、ユニーク魔法使った瞬間ぶっ倒れるんスよ……ぐすっ……心配になるじゃないッスか……」
ま、まさかあのラギーがギャン泣きするとは……
そう思いながらも、俺もラギーの背に手を添えた。
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作者名：tonight | 作成日時：2024年1月30日 11時
