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Aside
俺以外の皆が、レオナさんに向かって魔法を撃ち始める。
ただ、年上をナメるな＿＿＿＿というレオナさんの言葉通り、リドルの時ほどスムーズにはいかなかった。
……経験の差……だろうか。
俺も加勢したいのに、できないのが悔しい。
悔しいけど、今俺が魔法を使えば、今度は俺がオーバーブロットして皆を死なせてしまう。
「A！今だ！！」
リドルが一瞬こっちを見て、俺の名前を呼ぶ。
俺はマジカルペンを構えた。
一つ、マジカルペンの状態をよく確認する事。
二つ、魔法、特にユニーク魔法をむやみやたらに使わない事。
三つ、魔法石に黒いシミが見つかったら、すぐクルーウェル先生に報告する事。
先生との約束が急に頭をよぎって、ふと自分のマジカルペンに目を落とす。
俺のマジカルペンに嵌め込まれた魔法石は、少し……ほんの少しだが、とても小さな黒いシミを作っていた。
……ごめんなさい、クルーウェル先生。
約束、守れそうにないです。
『みんな出来るだけ俺から離れて！！』
魔法の焦点を、可能な限りレオナさんに合わせる。
『＿＿＿＿忘却を恐れよ、遺失を恐れよ。その恐れこそが自身の損壊。さあ、崩壊の始まりだ！“
ユニーク魔法を使った途端、全身からどっと力が抜けた。
意識が朦朧としてくる中、頭には正体のわからない記憶が流れ込む。
「……A？大丈夫ッスか…？」
ラギーの顔を見て安心した俺は、そっと意識を手放した。
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作者名：tonight | 作成日時：2024年1月30日 11時
