30話 ページ40
Aside
「じゃあ俺はあっちな」
『判った、またあとでね』
「駄目そうになったら云いに来いよ？」
『うん』
��子から任された警備員の食い止め作業。
それを、私は早々に破ることになった。
ポケットに入れたスマホが振動したからだ。
これは敦君たちに貸してもらったもの。
即ち、私の力が必要になったという事だ。
《もしもしAさん。聞こえますか》
『聞こえるよ安吾。私はどうすればいい？』
《今、敦君がカジノの最下層に向かっています。貴女も其処に合流して下さい。合流地点は＿＿＿》
……さて。
��子には申し訳ないけど、楽させてもらうよ。
中央通信室に続く廊下に異能のバリアを張る。
立原に気付かれないよう細心の注意を払って、合流地点へと急いだ。
＿＿＿天空カジノ 最下層・合流地点
『敦君』
私が名前を呼ぶと、敦君は振り返った。
「Aちゃん。よかった」
『私は何すればいい感じ？』
「たぶんだけど、《猟犬》が戦闘を始めた。だから僕はそこに介入する。Aちゃんはそのサポートを」
『わかった。
……って、敦君……あれ、見て』
窓ガラスの外。
シグマと��子が、落下していくのが見えた。
「マズい……！」
『敦君、行ける？』
「勿論」
近くにあったロープを、素早く敦君のベルトに巻き付ける。
窓ガラスを割った。
『早く行って！私は後から追いかける』
��子はシグマを突き飛ばした。
生け捕りは不可能と考えたんだろう。
……ただ、心配なのは敦君が届くかどうかと、あのロープの強度だが…
どうやら届いたらしい。
しかし、次の瞬間。
…ロープが、切れようとしていた。
『敦君！！』
ポケットに入れていた、本部に持って帰って、調査してもらおうと思っていた硬貨。
そして今、��子は敦君たちの方を凝視している。
……しょうがない、私が敦君を助けるには、��子の目線を離さなきゃいけないから。
硬貨に、衝撃を与えるようにして外に放り投げた。
予想通りだ、��子の視線はそっちを向く。
その一瞬の隙をついて、私は窓から飛び降りた。
しかし、私は油断していた。
窓から飛び降り、敦君たちを救出した私を、立原は静かに見つめていた＿＿＿。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅て漢字見た目良くない？(プロフ) - 漫画立原の見た目がタイプで私も立原くんが好きになりました！猟犬立原の猟犬の5人目明かすシーンはちょっと好きにさせようと完全にねらってきてましたよね (7月22日 19時) (
レス) @page6 id: 9e74623cf5 (このIDを非表示/違反報告)
松原来愛(プロフ) - 面白い・・・・!立原好きです!他の人が濃すぎて埋もれやすくないですか、立原くん。かっこいいのに・・・。 (7月22日 17時) (レス) @page6 id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：tonight | 作成日時：2023年7月21日 14時
