27話 ページ37
※血などの表現があります。
苦手な方はこの話を飛ばして読んでいただいても構いません。今後の物語の進行に支障はないと思います。
立原side
ドッ。
鈍い音と共に、腹部を刺された。
「なっ……」
「A!後ろじゃ!」
『え……っ!?』
ガシャアッ。
ガラスの割れる音と共に、Aの頭から血が流れ出す。
駄目だ、彼奴は強化手術を受けてないから______
『かはっ……』
「A!!」
その場に倒れそうになったAを慌てて支えに入る。
《……せよ。繰り返す……この二人を見つけ次第攻撃せよ。罪には問われない》
ホテルフロアの一室から音が聞こえる。
それは、俺たちの殺害を仄めかす放送だった。
《攻撃した者はカジノの負債を帳消しとする。さらに負傷させれば一万ドル、気絶で十万、殺せば百万だ》
その放送に映っていたのは俺たち二人の顔だ。
Aの顔なんて映ってない。
何で……
かつてこんなに怒りを覚えた事はあっただろうか。
心の底から沸々と湧き上がる、煮えたぎるような怒りは収まる気配がない。
俺たちと一緒にいたからか、攻撃されてしまったA。ただ、放送では彼女の事について一切触れていない。
なのに攻撃した奴への怒り。
そして、守ってやれなかった自分自身への怒りが。
《……追加情報だ。今画面に映ったこの女も攻撃せよ。しかし、この女の異能は厄介だ。負傷させれば五万ドル、気絶で五十万、殺せば五百万とする。罪には問われない》
……五百万?
そんなの、よりAを攻撃してくるに決まってんじゃねえか。
というか、何で此奴はAまで《猟犬》だと……
……そうか。
警備員に囲まれたあのとき。
______撃て撃て!この"2人"を通信室に行かせるな!カジノを護るんだ!
Aはカジノの客のフリしてたから、支配人には会ってない。つまり、《猟犬》とは認識されていなかった。
でもあのとき、俺たちと一緒にいた事を不審に思った警備員が、支配人に連絡したんだろう。
Aは俺みたいに潜入捜査官でもないから、より《猟犬》の活動に関わってる。調べるのは容易だ。
……クソッ。
これでAを攻撃した奴を罪に問うことはできなくなった。
『……はぁ……はぁ、……』
「A…!」
俺の腕の中で、息を荒くするA。
それに気づき、更に怒りが増した。
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紅て漢字見た目良くない?(プロフ) - 漫画立原の見た目がタイプで私も立原くんが好きになりました!猟犬立原の猟犬の5人目明かすシーンはちょっと好きにさせようと完全にねらってきてましたよね (7月22日 19時) (レス) @page6 id: 9e74623cf5 (このIDを非表示/違反報告)
松原来愛(プロフ) - 面白い・・・・!立原好きです!他の人が濃すぎて埋もれやすくないですか、立原くん。かっこいいのに・・・。 (7月22日 17時) (レス) @page6 id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tonight | 作成日時:2023年7月21日 14時