23話 ページ33
Aside
『じゃあ私そろそろ行くね。長居しても怪しまれちゃうし……用があったら呼んでよ』
「うん」
そう云って"部屋"の扉のドアノブに手をかける。
すると、敦君が声をかけてきた。
「……本当にありがとう、Aちゃん」
『……じゃあ、この貸しは返してね』
「えっ！？」
私がそう云うと、あたふたする敦君。
どこまでも純粋だな。
そんな姿を見ていると、自然と頰が緩む。
『冗談だって。じゃあね、敦君に鏡花ちゃん、モンゴメリちゃん』
「え……今、笑って______」
バタン。
私の背後で、扉の閉まる音がした。
……さーて、私は何をするべきなのか。
探偵社の為に何かしてあげられる事はないのか。
そう悩んで、しばらく廊下をぐるぐるしていると、立原から連絡が入った。
《……聞こえるか？A》
『聞こえるよ。どしたん立原』
《ホテルフロアで探偵社を見つけた。俺は追うけど、A、来れるか？》
『え？あー……うん、了解』
敦君たち、また移動したのか。
まあでも、あの"部屋"に入っちゃえば大丈夫かな。
……私が探偵社側の人間になった以上、立原も敵だ。
頭では判っちゃいたけど、ちょっと苦しい部分もある。
……ごちゃごちゃ考えても仕方ない。
取り敢えず、立原のところに向かうか。
_________ホテルルーム
ドゴッ！！
私が立原のところに着いたその瞬間、何かを破壊したような鈍い音がした。
『……立原？大丈夫？』
「ああ。床下に何かあるかと思って金属操作で……って、金庫かこれ？」
『最新式の防盗金庫じゃん。鑑識の専門家でも解錠に2年はかかるんじゃ…』
「大丈夫大丈夫」
立原は金庫に手を近づける。
すると、ガチャガチャガチャ、という鍵の開いたような音がした。
「俺が秘密の覗き見が得意な、潜入捜査官じゃなきゃの話だからな」
金庫の中には、無数の硬貨が入っていた。
「カジノの帯が巻いてあるって事は、換金用の貨幣か？」
『何で金庫にこんなもの……』
立原は硬貨を覗き込む。
「中に空洞…いや、金属の構造物が……」
_____ドッ！！
大きな音が響いた。
『……立原？』
いつの間にか引き寄せられ、立原と密接する肩。
爆風から守ってくれたのだと、そう理解するのに時間はかからなかった。
『立原！！』
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紅て漢字見た目良くない？(プロフ) - 漫画立原の見た目がタイプで私も立原くんが好きになりました！猟犬立原の猟犬の5人目明かすシーンはちょっと好きにさせようと完全にねらってきてましたよね (7月22日 19時) (
レス) @page6 id: 9e74623cf5 (このIDを非表示/違反報告)
松原来愛(プロフ) - 面白い・・・・!立原好きです!他の人が濃すぎて埋もれやすくないですか、立原くん。かっこいいのに・・・。 (7月22日 17時) (レス) @page6 id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tonight | 作成日時：2023年7月21日 14時
