21 話＿＿＿過去編 ページ30
Aside
『……止められた？』
「ああ。使用人の変死体が見つかった……私はその実態を調査する役目だった。その家の実態を知って、殺したのも君だって判ってた」
……あの時点で、まさか、そこまで…。
この人の頭脳が恐ろしい。
「でもね、そんな家族なら殺されてもいいと思った。だから、君があれを起こすまで待ってた」
『…太宰さんは、私があれを起こす事を読んでたって事ですか』
「ああ。あんな事されてたら精神が持たない。予想するのは容易だ。でもね」
やっぱり、止めるべきだった。
太宰さんはそう云った。
「君に"殺し"という感覚を覚えさせてしまった。君は自分が思っているよりも純粋で優しい。そんな君に、何十人も殺させるべきじゃなかった」
……思えば、太宰さんは私がマフィアに入ってから、私に殺しの仕事をさせた事がない。
いや、うまく避けられていた。
「……ごめん、A」
私の髪を撫でる太宰さんの手が小さく震えている。
「……その代わり、これからは人を救って」
『……え』
「私はマフィアを抜ける。人助けができる場所に行く」
突然だった。
頭が真っ白になった。
「Aを置いていく事になるのは謝るよ。でも大丈夫だ。君は、自分で思ってるより強い」
…純粋。優しい。強い。
太宰さんに云われた私を表す言葉が、頭の中を反芻する。
『……気にしないでください、太宰さんは織田作との約束を……』
「……有り難う」
太宰さんは優しく、あたたかい目をしていた。
その目はどこか澄んでいた。
太宰さんは私の頭をそっと撫でた。
私の背中にまわす手に、力がこもる。
「……君に会えて良かった」
その言葉だけが、執務室に小さく響いた。
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紅て漢字見た目良くない？(プロフ) - 漫画立原の見た目がタイプで私も立原くんが好きになりました！猟犬立原の猟犬の5人目明かすシーンはちょっと好きにさせようと完全にねらってきてましたよね (7月22日 19時) (
レス) @page6 id: 9e74623cf5 (このIDを非表示/違反報告)
松原来愛(プロフ) - 面白い・・・・!立原好きです!他の人が濃すぎて埋もれやすくないですか、立原くん。かっこいいのに・・・。 (7月22日 17時) (レス) @page6 id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tonight | 作成日時：2023年7月21日 14時
