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20話___過去編 ページ29

Aside






「榊原君」




『……何でしょう』




「太宰君が消息を絶って2週間だ」




『それが何か』




「つれないねぇ。私はね、その席空けておこうと思うんだけれど」




『どうぞお好きに』




「リンタロウ嫌われてるんじゃない?」




「そうかもしれないねぇ」




私は首領から呼び出しを受けていた。
太宰さんが消息を絶ってから既に二週間。そろそろ次の幹部を決める時期だが、どうやら首領は空席にしておくつもりらしい。





「では本題に移ろう。榊原君、マフィアを抜けたいかい?」





『マフィアを……抜ける?』





「いや、太宰君の頼みでねえ。榊原君がマフィアを抜けたいと思うのなら私たちは其れに干渉しない。マフィアを抜ける手助けをする……ってね」






太宰さんが、そんな事を云っていたとは。


……マフィアを抜けたい。
そんな気持ちは、今の私にはない。

ただ、あの日の夜__________








あの洋館を黙って出て、黙って拠点まで帰って。
私たちが言葉を交わしたのは、私が大宰さんの執務室に呼び出された時だ。





『……失礼します』




「……ああ、入って」





執務室はなんだかどんよりとした雰囲気だった。
……当然だ、"友"を亡くしたのだから。





「……ごめんね、こんな時間に」




『いえ……』




窓の外の、空は暗かった。
街の明かりが煌々としている。





「……A、」




弱々しい声で私の名前を呼ぶと、太宰さんは手招きをした。





『……どうしましたか』





太宰さんの瞳が、私を捉える。
その瞳はいつになく弱々しかった。




「……もっとこっち来て」





そういう太宰さんは、まるで駄々をこねる子供のようだ。
私は座る太宰さんの正面に立った。



すると太宰さんは手を伸ばして、私をぐっと引き寄せた。
そして私の背中に手をまわす。




「…………ごめん」




私を抱きしめた体勢のまま、太宰さんは囁いた。





「……君が起こした"四十四院(つるし)家大虐殺"」




『……はい』




「……阻止する事もできたんだ」




……あれを、阻止?
そんなこと……太宰さんが?

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紅て漢字見た目良くない?(プロフ) - 漫画立原の見た目がタイプで私も立原くんが好きになりました!猟犬立原の猟犬の5人目明かすシーンはちょっと好きにさせようと完全にねらってきてましたよね (7月22日 19時) (レス) @page6 id: 9e74623cf5 (このIDを非表示/違反報告)
松原来愛(プロフ) - 面白い・・・・!立原好きです!他の人が濃すぎて埋もれやすくないですか、立原くん。かっこいいのに・・・。 (7月22日 17時) (レス) @page6 id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tonight | 作成日時:2023年7月21日 14時

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