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14話___過去編 ページ17

Aside





彼は私を、彼の家まで連れて行った。



「ただいまー」



「おかえり……って如何したのその子!!」



私を抱えてリビングまで行った彼は、母親であろう彼女に驚かれた。
そりゃそうか、自分の子供が幼児を連れて帰ってくるんだもん。



「公園で見つけたんだけど…暫く待っても親御さん来ないし。ほら、もう遅いだろう?危ないから連れてきた」




「……如何したらいいのかしら」




その日は彼の家に泊めさせてもらった。


その夜、彼は私に云った。



「いいかい?君は明日、自分の家に戻る。でも辛くなったらあの公園に来るんだ。あの公園ならうちからも見えるし、君が来たら僕が何時でも向かってあげられる」



その代わり___と、彼は隣で眠る弟の頭をそっと撫でながら云った。



「僕の弟とも遊んでやってくれ」




こう見えて寂しがり屋なんだよ___
そう弟を見る彼の瞳は、心から愛おしいものを見ているようだった。





それからは楽しかった。
今思えば、彼と出会うまでは、生きる意味なんてなかったと思う。
初めて”家族”というものに触れたような気がした。



彼は異能で、私に三つ葉の髪飾りを作ってくれた。



本の読み聞かせもしてくれた。
まだ覚えている、彼が初めて私に読み聞かせた本を。




【Another】




長編本格ホラーを4歳児に読み聞かせる彼の神経はどうかと思うけれども、それも思い出のひとつだ。
当時の私はホラーを読み聞かされることについて特に何も思ってなかったようだけど、彼の弟は彼にぴったりとくっついて怖がっていたのを覚えている(当たり前だ)。


最近それを読み直したけど、結構怖かった。



…でも其れが、どこか温かくて、私の大好きな居場所になった。




しかし、そんな状況は一変した。


彼が戦争に行くことになったのだ。




「大丈夫、また帰ってくるよ」



そう朗らかに笑っていた彼。
其れを聞いて、私と彼の弟は笑顔で彼を送り出した。




……彼は帰ってこなかった。


ご丁寧にも、彼の母が伝えに来てくれた。





「ごめんね、Aちゃん。あの子はね、遠くに行って……もう日本には戻れないんだって」




そう遠回しに伝えてくれた。


彼女は私を気遣って、遠回しに伝えてくれたのだと思うが、私は察しがよかった。
彼は……もう死んでしまったのだと。

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紅て漢字見た目良くない?(プロフ) - 漫画立原の見た目がタイプで私も立原くんが好きになりました!猟犬立原の猟犬の5人目明かすシーンはちょっと好きにさせようと完全にねらってきてましたよね (7月22日 19時) (レス) @page6 id: 9e74623cf5 (このIDを非表示/違反報告)
松原来愛(プロフ) - 面白い・・・・!立原好きです!他の人が濃すぎて埋もれやすくないですか、立原くん。かっこいいのに・・・。 (7月22日 17時) (レス) @page6 id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tonight | 作成日時:2023年7月21日 14時

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