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つゆりside








土曜日









待ち合わせ場所に指定した駅前の広場には、すでに国見ちゃんの姿。

私服だったから一瞬誰かと思ったけど、あの髪型は国見ちゃんで間違いないはずだ。











『国見ちゃん』











そう声をかけると、国見ちゃんは振り返った。











「つゆりさん」











『ごめん待たせちゃった』











「いえ、気にしないでください」










それにしても…道ゆく女子が国見ちゃんとすれ違うたびに振り返っている。
そう、私は忘れてはいけない。

いくら仲がいいといっても、この国見英という男はモテるということを…!












『国見ちゃんってさ、もしかして自分がモテてるの気が付いてない?』










「…?」











あーダメだ。
この子そっち方面に関してはホント影山みたいなタイプだ。















「でもびっくりしました。東京って俗に言うイケメンばっかですね」













『それは完全なる偏見だと思う』













「そうなんですか?まあいいですけど」













国見ちゃんはどうでもよさそうに言うと、私に向けて悪い笑みを浮かべた。













『…何』












「今日は俺と”デート”なんですから、他の男なんて見ちゃだめですよ」















…は?














『私そんなつもりで来てないんだけど』
















「帰るときにはデートだったって思わせてやりますから」














そして、国見ちゃんは私の耳元でささやいた。














「今日俺は、つゆりを独り占めしたいから。
絶対、他の男なんて見ちゃだめだよ」

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作者名:tonight | 作成日時:2023年2月18日 8時

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