佰伍:始動 ページ11
伏黒side
「で、どうすんのよ。呪霊だったら結界が反応するんじゃないの?」
校庭に集まり榎森を囲むようにして立ちながら、釘崎の問いに少しだけ考えた。
「確かに、呪霊になったら引っかかるかもしれねぇな…」
「じゃあ呪霊化無しでやるか?」
「でもそれじゃあいつも通りの榎森だろ」
「あ、そっか」
五条先生呼んでの訓練にした方がいいか?でもわざわざ多忙なあの人呼ぶのも…「やっほー!面白い事してるね?」…!
『五条先生』
「あ、先生!丁度良い所に!」
虎杖が元気よく手を振る。先生は返すように手を振りながら、ニッと笑った。
「監督として僕が見てるよ。結界のことも学長に申請済み、数時間実だけ感知の範囲外にしてもらったから存分に訓練するといいさ」
「すみません、ありがとうございます」
「いいっていいって♪実ー!不調になったらすぐ止めるんだよー!」
『はい』
榎森の声を聞いてから「さ、やっておいで」と先生に言われ、俺は再度榎森の方を向く。手を組み、いつでも玉犬を出せるような姿勢をとった。
釘崎も虎杖も、いつでも戦闘が出来る姿勢を取り始める。その中心で、榎森は準備運動とばかりに軽いストレッチをしていた。
『よし…』
ふぅと息を吐く。榎森が目を閉じて集中し始めると、一気に空気が変わった。
緊張感が走る。榎森の雰囲気が次第にピリピリとしたものへと変わっていく。
『"死生創術"』
指輪を外した榎森が呟く。呪力の気配が強くなると同時に、アイツの目元に虎杖の傷に似た黒い模様が浮き出た。
ブワッと風が吹き荒れる。呪力じゃねぇ、これは…プレッシャーだ!
「(軽く発動しただけでこれかよ…!)」
眼前に腕を持っていき、顔を風からガードする。榎森は合わせていた手を下ろした後、ゆっくりと目を開いた。
闇のように暗い目の中に浮かぶ紫色の瞳が、俺達三人を捉える。そして、
『死にたくなければ本気で来い、呪術師共』
冷たい殺気と微笑を湛えながら、
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九龍(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます!現在は更新停止していますが、気が向いたらまた書き始めますので、その時はまたよろしくお願いいたします! (12月29日 22時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - 一気に全部読んじゃいました!!オリジナルなのにこんなにしっかりとした深い作品ができるなんて!!すごい今感動しています!! (12月29日 21時) (レス) id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
九龍 〜くーろん〜(プロフ) - ラエルさん» コメントありがとうございます!頑張って更新しますね!! (5月23日 21時) (レス) id: 30fbc50707 (このIDを非表示/違反報告)
ラエル(プロフ) - 更新楽しみに待ってます (5月23日 17時) (レス) @page29 id: 2dd5f200d4 (このIDを非表示/違反報告)
15 - 一気読みしましたが、めちゃくちゃ刺さりました!乙骨君や伏黒君との関係もしっかり書いてあって凄く面白かったです!男主君のやり取りとか性格、全部好きです!文章力すごすぎです!終わりかたもすっきりしていて選択が出てきたときすごい感動しました! (2022年5月5日 1時) (レス) @page28 id: 62618493d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2021年1月29日 15時