伍拾参:優しい仲間 ページ7
釘崎side
「次右!」
「おうよっ!」
樹海に入ってすぐ、私達は速攻で呪霊との戦闘になった。
これは榎森に惹かれたってより、人が入ってきたから襲ってきたって感じね。
「(雑魚か)」
釘を放ち、"簪"で仕留めていく。この程度なら私も楽に片付けられる…けど、
【d2djどpくぢqdjdxpqじょ?】
背後に影が差し、嫌な声が聞こえる。鋭い爪を振り下ろそうとするナマズみたいな顔の呪霊を背に、私は一言だけ呟いた。
「榎森」
「流石榎森!やっぱアンタは他の男共とは違うわね!」
『お褒めに預かり至極恐悦だ』
さっきから榎森が私の周りを中心に立ち回ってるのは知ってた。釘の消費を気にしてくれてるんだ。
「(アンタ、本当に気が利くヤツね)」
お言葉に甘えて、戦闘は榎森に任せるとしますか。
「あーっ!ずっりぃっ、俺もそうやってかっこいい事したい!」
「小学生かアンタは!いいからさっさと呪霊倒せ!」
口を尖らせて抗議しながら呪霊を殴りつける虎杖を怒鳴りつけて溜息をつく。何でアイツはいつもちょっとバカなの…!?
『釘崎、この辺りは片付いてきた。伏黒の方も残り少ない、先に行こう』
「そうね。どうせあの二人は勝手について来るでしょ」
特に黒いツンツン頭の方は、アンタの傍に居たいみたいだし。
「方向は?」
『あと数メートル先にご神木がある。その先を右に曲がるが、その辺りが一番危ないと思う。邪視との遭遇も視野に入れて動いた方がいい』
「分かった。んじゃ、榎森先頭宜しく」
『了解』
刀を鞘に収めながら榎森が先に進んでいく。私もその後に続いて走りながら周囲を見渡した。
呪霊の気配は無い。代わりに後ろから男二人の気配がする。ついて来てるみたいね。
「(それにしても、嫌な空気…)」
人の悪意に近い淀んだ空気が辺りに満ち始めている。確かにこれなら呪霊の1匹や2匹住み着いてもおかしくはないわね。
「(何もなければ良いんだけど……)」
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九龍-くーろん-(プロフ) - 日向さん» ありがとうございます!一気に読んで頂けるとは…!とても嬉しいです!更新頑張ります! (2021年1月24日 21時) (レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 初めまして!主人公の設定や周囲との関係、ストーリーなどがとても面白くて1作目から一気に読んでしまいました!応援してます、更新頑張ってください! (2021年1月24日 20時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - 南蛮モナカさん» ありがとうございます!とても嬉しいです…!今後とも主人公達の道を見守って頂けると嬉しいです!更新頑張ります! (2021年1月23日 0時) (レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
南蛮モナカ - 設定とかキャラ達の関係性?とか話の進み方とかすっごく好みです!更新がんばってください! (2021年1月22日 23時) (レス) id: 4ea39a9195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2021年1月21日 17時