伍拾:いざ目的地 ページ4
虎杖side
「来たー!!!!」
「「煩い喚くな」」
「えっ、何か二人共酷くない!?」
榎森に起こしてもらって、目的地付近の駅で降りる。駅を出て伸びと一緒に声を出せば、伏黒と釘崎が冷えた目で俺を見てきた。何でぇ……?
『虎杖、よく眠れたか?』
「あっ、榎森!おうっ、もう元気だ!」
むんっと胸を張ると、『そうか』と優しい声が返ってくる。榎森って結構表情出ないんだけどさ、声で良い人って分かるんだよな。優しい声してるし。
って、榎森何時の間にコンビニ行ってきたんだ?俺も行きたかったぁー!!
『釘崎、カフェラテ買ってきたぞ。お前好きだろ』
「サンキュー榎森。アンタは二人と違って使える奴ね〜」
「どういう事だオイ。あと榎森、パシられるんじゃねぇ」
『俺の厚意だ。パシりじゃねぇよ』
「そーだそーだ!」
べーっと舌を出して挑発する釘崎と、呆れたように肩を落とす伏黒、クスクスと笑う榎森。なんかいいな、こういう雰囲気。俺結構好きなんだよね。
自然と笑顔になる。と、ぐうと俺の腹が鳴った。
「あっ…」
やば、結構大きい音が……
『虎杖、焼きそばパン食うか?』
うっそだろ、俺の為に買ってきてくれたのか!?良い奴すぎる!!
榎森が渡してきた焼きそばパンを手にして、俺は早速柔らかいパンにかぶりついた。うっまい……
『で、ここからどう進むんだ?』
モグモグと食べながら様子を見ていると、榎森は伏黒に缶コーヒーを渡しながらそう尋ねた。伏黒は「サンキュ」って缶コーヒー受け取って、手元のスマホで場所を確認してる。
「この先を真っ直ぐ歩くと、すぐに登山道が見えてくる。先の神社を通り過ぎて、立ち入り禁止の区域に入り、ご神木を右に曲がった場所が目的地だ」
『登山か。山道を行くなら少し時間がかかるだろ、早めに出るか?』
「いや、伊地知さんを待つ。立ち入り禁止の区域とはいえ、近くは人の通りが多い。帳を張ってもらわないと人が来る可能性がある」
「えっ、伊地知さん来んの!?」
やったっ、知ってる人が来るとテンションあがる!
『虎杖は何で嬉しそうなんだ』
「ほっとけ、変なツボ持ちの相手するのは疲れるぞ」
どんな目で見られてるんだよ俺はぁ〜!
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九龍-くーろん-(プロフ) - 日向さん» ありがとうございます!一気に読んで頂けるとは…!とても嬉しいです!更新頑張ります! (2021年1月24日 21時) (レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 初めまして!主人公の設定や周囲との関係、ストーリーなどがとても面白くて1作目から一気に読んでしまいました!応援してます、更新頑張ってください! (2021年1月24日 20時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - 南蛮モナカさん» ありがとうございます!とても嬉しいです…!今後とも主人公達の道を見守って頂けると嬉しいです!更新頑張ります! (2021年1月23日 0時) (レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
南蛮モナカ - 設定とかキャラ達の関係性?とか話の進み方とかすっごく好みです!更新がんばってください! (2021年1月22日 23時) (レス) id: 4ea39a9195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2021年1月21日 17時