捌拾漆:お風呂と話と ページ41
実side
で、結局風呂に入った。恥ずかしがってても俺は汚れてるし、二人も任務行ったからな。汗臭いまま寝るのは嫌だぞ俺は。
服を脱がせてテレテレと恥ずかしがる二人を先に風呂場に入れ、後から俺も風呂場に入る。と、既に二人は髪や身体を自分で洗っていた。流石に多少のことは出来るみたいだな。
『洗い終わったやつから風呂入れよ?』
「うん!」
「ん…」
俺もお湯を風呂桶に溜めて身体を流し、洗い始める。虎杖と伏黒は先に湯船に入ってじっと俺を見始めた。
さっきあれほど恥ずかしがってた奴らとは思えないな。
『そう言えば』
髪を洗い、シャワーで身体の泡ごと洗い流す。しっかりと泡を流し終えてから、きょとんとする二人が居る湯船の中に入った。
『お前ら、俺が好きなんだって?』
「…!」
「はひぇっ!?」
分かりやすっ。伏黒は途端に真っ赤になるし、虎杖に至っては変な声出した。やっぱり好きなのか、俺のこと。
『釘崎から聞いたぞ。詳しいことは大人に戻ったら聞くから、覚悟しとけ』
浴槽の縁に寄りかかりながら息を吐く。疲れが取れていくよな、風呂って。
「……お、おれは…」
伏黒が小さく呟く。俺の方を向いて、真っ赤な顔のまま意を決したように口を開いた。
「おれは、えもりがすきだ。だれにもわたしたくない、えもりといっしょに、いたい……」
…熱烈だな。思わず口元がにやける。すると、虎杖も負けじと張り合うようにずいっと身を乗り出してきた。
「おれもっ、おれもちゅき!たくさんおはなししてね、あそびたいの!えもりといっちょにいたい!」
「…!やっ、えもりはおれの…!」
「ふしくりょだけのえもりじゃないもん!」
「いたどりのでもない…!」
「おれのなのー!!」
「ちがう…!!」
『あーはいはい、分かったから落ち着けお前ら』
にやけそうになるのを堪えながら二人を宥める。そして、二人にこう言った。
『俺は正直、どっちも好きだ。どっちの気持ちも嬉しいし、二人共大好きだ。だから一人しか選べなくても…きっと二人に対しての気持ちは変わらない』
じっと見る二人に、俺は笑ってやった。
『だから、互いを恨むなよ。俺がどっちを選んでも相手を呪うな。二人共俺と同じぐらいお互いが好きなんだから、俺一人の為に友情を壊さないでくれ。それが約束できるなら…応えてやる』
二人はきょとんとして黙った。ちょっと難しかったかもな。
『続きは、戻った後でな?』
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九龍-くーろん-(プロフ) - 日向さん» ありがとうございます!一気に読んで頂けるとは…!とても嬉しいです!更新頑張ります! (2021年1月24日 21時) (レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 初めまして!主人公の設定や周囲との関係、ストーリーなどがとても面白くて1作目から一気に読んでしまいました!応援してます、更新頑張ってください! (2021年1月24日 20時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - 南蛮モナカさん» ありがとうございます!とても嬉しいです…!今後とも主人公達の道を見守って頂けると嬉しいです!更新頑張ります! (2021年1月23日 0時) (レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
南蛮モナカ - 設定とかキャラ達の関係性?とか話の進み方とかすっごく好みです!更新がんばってください! (2021年1月22日 23時) (レス) id: 4ea39a9195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2021年1月21日 17時