🐶何でこうなるのさ〜! ページ45
ダルメシアside
「お、落ち着いて!マルフィの言った通りにするんだエース!」
茨の中に閉じ込められちゃった僕は、鴉に戻りかけてるエースを抱き締めてエースがしてくれたように頭をぽんぽんした。僕はこうされると落ち着くから、エースも落ち着いてくれるかなって思ったんだ。
「ダ、ダル……っ」
「大丈夫だよ。マルフィの魔法はトゲトゲしてるけど優しいんだ!マルフィが言ったみたいに深呼吸してみて!」
わ、凄い…っ、真っ黒な髪が羽根になってる…。目も魔法が暴走してるから妖精の目になってて緑色に輝いてるし、背中が不自然に盛り上がってる。多分翼が出かけてるんだ。
「森の中で深呼吸だよ、はい吸って…吐いて〜…」
「っ……、………」
よし、いいぞ。エースが何とか深呼吸してくれた!後は落ち着くまで待って…、……あれ?
急に喉の奥が熱くなった。ごぽって音が喉からすると、急に僕は吐き気に襲われた。
「っ!?」
咄嗟に口を手で塞いで吐くのを我慢する。これゲロじゃない…っ!液体の感覚が無い!
「ダル…っ?」
エースが不安そうに僕を見てくる。ちょっとずつ元に戻りかけてるエースに、僕は涙目で口から何かが出そうな事を伝えようと必死にアピールした。
「……!アップルは居る!?」
さ、察してくれたー!エース大好きー!
落ち着きを取り戻したエースが茨を引っ込めて林檎を呼んでくれる。そしたら茨で見えなかったけど皆大変なことになってた。マルフィは蛸足でバランス崩して倒れてるし、アップルとエイトフットは無重力みたいにプカプカ浮いてて物凄く大変そうだった。親友は!?あ、あー!牙が伸びてすっごい噛みたそうな顔してる!野生の本能が刺激されてるー!
『エース!これはどうすれば収まるんだ!』
「えっと、床に着地するイメージを持って!そうしたら降りれる!あとダルが吐きそうなんだけど!」
うん吐きそう!もう我慢が厳しくなってきたよー!………あ、あれ?皆顔真っ青に…
「すぐに窓開けろ!!全員息吸うなよ!?」
「ジャック!お前は今鼻がいいから絶対吸っては駄目だよ!?」
『ダルメシアッ、窓の外に吐け!絶対窓の外で吐くんだぞ!』
「んぅ!!」
頷いて開けられた窓の方に駆け寄る。その途中でさらに喉の奥から何かがせり上がって、
「っ、う゛ぇっ」
僕は窓辺一歩手前で吐いちゃった。ぶわって青っぽい黒い霧が充満して、窓の外に逃げていく。でも後ろで皆がすっごい大騒ぎしてた。
ご、ごめん皆……
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月20日 0時