🍎まさかのことで真っ白になった ページ43
アップルside
『…成程。つまりはその魔法の不調が治るまではこのままということか』
「そうなるね。女子の方は魔法に差異があるから分からないが、私達は暫くこのままだろう」
エイトフットになったマルフィから説明を受け、食事を済ませた後私達は談話室で状況整理と推測を話していた。
それにしても、まさか私がエースの体に入ってしまうとは…。昨日の疲れすら感じない体を見て、次にエースへと視線を向けた。
「ダールー？そんなに寂しいのか〜？」
「落ち着くんだよ〜！」
…ダルメシア、お願いだから私の姿でエースに抱きつかないでくれ。私のイメージが崩れる。
しかもエースと言っているが外見はマルフィだからな。
『残りの二人は？』
「まだ起きてないみたいだ。ジャックは夢の国から戻ってくるから暫く来ないだろうけど、エイトフットは徹夜続きで爆睡してるんじゃないだろうか」
あぁ、二人共何気に忙しいらしいからな。エースもそうらしいが、タワーで毎日顔を見ているからあまり忙しそうな雰囲気を感じない。流石一番優秀なトランプ兵だ、自分の時間をしっかり作っているということか。
手元の紅茶を一口飲んでさぁどうするか考えていると、談話室の扉が荒々しく開かれた。
「…どうなってんだこれはぁ〜！」
「やぁ、おはようエイトフット。君はジャックになったのか」
「あ？って、俺が居る！？」
エイトフットはあのちびトランプか。お気の毒に…
「うっげ！？何してんだそこの二人は！」
「僕はダルメシアだ！林檎じゃないぞ！」
「僕はエースだよ。アップルはこっち」
「あ？あー、お前がアップルか。道理でいつもより落ち着いてるわけだ」
『「どういう意味だ」』
エイトフットは欠伸を漏らしながらドカッとソファに座る。いつも明るいヤツの顔が、物凄く目付きの悪いけだるげなものになっていた。表情一つで雰囲気も変わるものだな。帽子もしていないし。
「じゃあジャックがダルになったんだな」
「親友〜！早く毛皮の匂いが嗅ぎたいよ〜！」
『泣くなダルメシア！』
あぁっ、まさか自分の泣き顔を自分で見る日が来るなんて誰が想像できただろう…！ず、頭痛がする…っ
「やっほー親友！君は誰に…ぶはっ！？え、まさかダル！？ｗ」
「し、親友〜！！会いたかったぞ〜！」
…嗚呼、煩いのが来た…
『遅かったなジャック』
「うげっ、その目つきはクソ林檎…」
『何故分かった気持ち悪い奴め』
ダルメシアになっても生意気なやつだ。だが、これで全員揃ったな。
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2022年10月20日 0時
