♡いつもと同じ朝が来ると思うじゃないか ページ40
エースside
チュンチュン、と鳥の囀りで僕は目を覚ました。窓から差し込む光が眩しくて思わず目を細めると、少しだけ開いている紫色のカーテンを閉めて毛布の中に潜り込む。……ん?紫?
『(僕の部屋のカーテン、紫色じゃないよね?)』
僕のカーテンの色は赤と黒だ。上が赤で、下が黒。こんな濃い紫じゃない。確かこの紫のカーテンって、マルフィの部屋の…
「…マルフィ?」
起き上がって声をかけたら、自分の喉からマルフィの声が出て思わずベッドの上で僕は跳ね跳んだ。文字通り跳ね跳んだ。ビョーンって跳ね跳んだ。自分でもびっくり!
「え、ぁ……。え?」
いやいや、まずこれどうなってるの?何か目にかかる髪も黒いし、というか僕こんな髪長くないし…
「か、鏡!」
近くに置いてあった手鏡を取って顔を見る。するとそこには、焦った顔のマルフィが映った。
……え?マ、マルフィの顔になってる……?
「…というか、此処…僕の部屋じゃない、よね…?」
いつもの目覚まし時計も、昨日貰ったくまちゃんも無い。黒と紫で構成されたエレガントで綺麗な部屋は、紛れもなくマルフィの部屋だ。……ということは…?
「僕、マルフィになっちゃった…?」
声も顔もマルフィだし、よくよく見れば体も違う。体内の魔力の質も量も違うし……
………。
「なにこれぇえええぇええええっ!!!!!!」
朝一番。僕は盛大な悲鳴をあげた。
「おはよう……」
身支度だけはしっかりしてげんなりしながら食堂に入る。何でマルフィの体になっちゃったのかは分からないけど、とにかくご飯は食べた「マルフィー!!」ぐふぇっ!?
突撃してきた誰かのせいで、僕は食堂のドアを開けた瞬間に後頭部を打って背中から倒れた。ぼ、帽子あって良かった…!でも痛い!!
「ちょ、ちょっとダルメシア…いきなり抱きつか、な……」
「う゛、う゛〜っ…!マルフィ〜!」
え?アップル…?アップルが顔ぐしゃぐしゃにして泣いてる……、え、子供っぽい……
「私の体ぁ〜!!」
「え、あ、マルフィ居るの!?」
「此処さ!この私の美しい顔が見えないのかい!?」
アップル(?)に抱きつかれながら起き上がって辺りを見渡すと、そこにはマルフィのポーズをキレッキレにやってるジョーが居た。あ、何か髪型が違う。いつものソフトクリーム頭じゃなくて、髪を下ろしてひとつ結びにしてる。
「…マルフィ?」
「そう私は私ぃ!で、君は?」
「エースだけど…」
なんか、面倒くさい事になってるな?
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月20日 0時