👿新しい日常の風景 ページ20
マルフィside
翌日……
「だ〜か〜ら！お前は向かいに行けよ毒林檎！」
「私が何処に座ろうと私の勝手です〜」
『僕を挟んで喧嘩しないでくれるかな』
食堂に集まったいつものメンツを見て、私は小さく鏡を添えて笑った。何やら昨日一悶着あったようだけど、解決したようだね。
「やぁ皆おはよう。今日も頑張ろうじゃないか」
「おはようマルフィ！今日も君は美しいね！」
「随分と遅い目覚めだったな」
「今日は予定が無くてね、久しぶりに羽根を伸ばして寝ていたらこの時間だ」
『そう言えばマルフィは鴉だったっけ』
「俺もタコ足伸ばして休みてぇよぉ〜…」
「エイトフットもたまには散歩したらいいぞ！お日様が温かくて気持ちいんだ！」
「やめろダルメシア〜、俺が干からびちまうだろうが」
うん、いつもの会話だ。朝食のパンとスクランブルエッグ、サラダの乗った盆を手にして席につくと、いがみ合う二人の間からエースが『マルフィ』と声をかけてきた。
「ん？何かな？」
『今日のリクルーティングの予定をVが女子達に伝え忘れたらしくてね、女子棟に伝えに行くんだけど行き方が分からなくて教えてほしいんだ』
「嗚呼、良いとも。朝食の後、支度を済ませたら私の部屋に来てくれ」
『ありがとマルフィ。助かるよ』
インク臭い時は近づきたくないが、別に嫌いなわけじゃないからね。それに彼は身内には甘いところがある。今もそうだ、言い合う二人の間に居ても悪化しないと分かっているから好きにさせている。さり気なくダルメシアに好物のウインナーを一つ皿に移してやったり、エイトフットに珈琲のおかわりを聞いたりして気を配っているところをよく見かけるんだ。
「(人間だった時の彼も、そんな人だったんだろう)」
優しい子だ。ヴィランになるとは考えられないほどに。そんな彼に興味があるから目が離せないし、私やこの場の者以外の手に触れさせたくもない。恋愛感情というよりは…そうだな、お気に入りの友達、といったところかな。
「君も大変だね」
『でも楽しいよ』
食事を終えて紅茶を飲むエースはそう言って微笑んだ。あまり表情の変わらない彼だ、作り笑いや嘲笑以外の笑顔を見るのは指で数える程度。珍しい顔をまた一つ見てしまったな。
『ジャック、アップル、僕先に部屋戻っちゃうよ』
「後少し待てエース」
「もうちょっとで食べ終わるから！」
本当に、彼らは騒がしくて面白いな。見ていて飽きないよ。
♡何気にあんまり交流無いんだよね→←♡意地悪なのはお互い様だ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2022年10月20日 0時
