❤まだ秘密だよ ページ9
ジョンside
「なんか最近ご機嫌だな?」
裕介に声をかけられて少しドキッとした。
ジャック・ハートと名乗る俺そっくりのトランプ兵と夢の中で会うようになってから、実は少しずつ毎日が楽しく感じるようになっていた。何をしても上手くいくような気がするようになったって感じだ。
『そんな事無いさ。いつも通りだよ』
「そうかぁ?それにしては表情明るいぞ?」
『まさか』
朝のホームルーム前のちょっとした時間、裕介は笑って「さては彼女出来たか?」なんてからかってくる。俺は『出来てないよ』なんて返しながら頬杖をついて裕介を見た。
『でも友達ができた』
「お!ご機嫌の理由はそれか!」
『まぁね。最初は変な奴だなって思ってたけど、意外と楽しい奴でさ。見てて飽きないんだ』
「何だよ〜そんな楽しい奴俺も会いたいじゃんか〜」
『裕介には内緒』
「ずっりぃ〜!」
ぶーぶーと口を尖らせる裕介に『悪いな』と笑って言うと、丁度いいタイミングでチャイムが鳴る。先生が来てホームルームが始まる中、俺はぼんやりと昨日の夢の中でのやりとりを思い返していた。
「"明日はお皿を紅茶につけて食べてみようよ!きっと美味しいよ!君と一緒ならもっと美味しい!あ、その前にねむりネズミの鼻にジャムを付けておかないとね!逃げ出したりでもしたら大変だ!"」
『(皿なんて食べれないだろ、…ってのは夢の中じゃ野暮な質問か)』
夢は何でもありだ。そんな夢の中に居るアイツのやること言う事も全部夢のように何でもあり。
今日は皿をお菓子にお茶会か。ほんととんでもない事思いつくなアイツ。
『(……早く夜にならないかな)』
いつしか、夜が待ちきれなくなっていた。
明るくて突拍子もない夢の住人。そいつはとても面白くて毎日が驚きの連続。刺激的な夜の時間。
現実の世界より、遥かに楽しい夢の世界。
……もう少し長く夢が続けば良いんだけどな。
15人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月11日 21時