❤可愛い僕のトランプさ ページ17
ジャックside
「で、自慢のトランプはお留守番か」
「ん〜?」
クルクルと指先の上で回るハートのトランプを眺めながら返事を返すと、エイトフットは「こっち見て返事しろ」なんて怒っちゃった。カリカリしてると紙面がざらつくのにね!あ、彼タコだったや!
ステージに登るまで後数十分。各々人間の皆に見てもらえるように支度を済ませて待ってる時間だ。まぁエース来てないんだけどね!
「何の話かさっぱりだなぁ〜」
「ふざけてんじゃねぇぞテメー。お前がいっつもこれみよがしに連れ歩いてるあのハートは何処行ったよ」
「あぁ!エースは今お仕事中だよ、もう少ししたら来るんじゃないかな?」
なぁんだ、エースの話をしてたのか!
パシッと手でトランプを掴み取り、表面の模様を眺める。ハートの1、彼と同じ数字だ。僕の大好きな数字、僕の一番。
「でも何で自慢なんて付け足すのさ。確かにトランプ兵の中では一番だけど、結局僕と同じただのトランプだよ」
「ンなこたぁ知ってるんだよ。そのただのカード一枚に随分と惚れ込んでるから皆不思議がってるんだろ」
「確かにそれに関しては私も聞きたいな。何故彼のような君と違って野蛮な子を気に入っているんだい?」
「やぁマルフィ!君も今日一緒だったんだね!」
「well,well…事前にメンバーは聞かされていただろうに…聞いてなかったのかい?」
ふらっと現れた真っ黒な彼に笑って見せると、彼は肩を竦めて向かい合うようにソファに座った。
う〜ん、聞いてたような聞いてなかったような〜?まぁそれは置いといて、皆の質問に答えないとね!
「彼はね、僕が見つけたトランプなんだ。真面目で優しくてとてもいい子だ。女王様も気に入ると思って兵士にしたんだけど、まさか兵士の中でも一番強くなっちゃうなんて思わなくてさ〜!」
「いや違う、それは何度も聞いてる」
「あれ?あ、僕が何で彼を好きなのか、か!ん〜、そうだなぁ……一目惚れ、かな」
そう、一目惚れ。視界に入れた瞬間から始まった、胸の高鳴る存在。
「見た瞬間に思ったんだ。彼は僕の為に生まれてくれたんだって。僕の世界に新しい刺激的な変化を見せてくれるって!エンターテイナーとしては放っておけない存在なのさ!」
僕は最高で自由なエンターテイナー。でも彼は最高で規律ある兵士。真逆の存在なんて面白いだろう?
首を刎ね飛ばす姿もインク塗れの姿も最高に可愛いんだよ!そんなことを言ったら、二人共若干引いちゃった。おかしいなぁ…?
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月11日 21時