👿君も中々の悪い男だね ページ43
マルフィside
タワーに帰って皆を一人ずつ寝かせて行くエースについて行きながら、私は今日の楽しい思い出を振り返りつつベッドによじ登った。
既に私以外はエースの手によって各々の部屋で寝かされている。子供服もいつ戻っても良いように大人用のパジャマに変えられ、今の私のこの小さな体では少し動きにくかった。
『マルフィも早く寝るんだぞ?』
「うん、えーすはねんねするのかい?」
『僕もちゃんと寝るよ。自分の部屋でだけどね』
戻った時の事を考えて各部屋に、なのだろう。彼とジャックが一番あのクッキーの効力をよく知っているからね。この感じからして、明日の夜には解けるものなのだろう。
「…あのねえーす」
なら、ネタバラシをしてしまっても良いんじゃないだろうか?
「じつは…『あ、そうだ』…?」
何だい?そんなニヤニヤし、わ…!
額を小突かれてころんっとベッドに倒れる。何が起きたのか理解できないでいると、ふっと私の上に覆いかぶさるようにエースがベッドに乗り上げてきた。
『一日子供扱いされた気分はどうだった?マルフィ』
「……なんだ、ばれてたのか」
『そりゃそうさ、なんたって僕の国のクッキーだよ?あのクッキーは体を大きくしたり小さくしたりするものであって、中身まで子供にするわけじゃない。そんなの僕とジャックが一番理解してるさ』
『ジャックの悪戯だろ?』なんて首謀者の名前を出されてしまえばもうお手上げだ。私はくすっと笑って両手を降参とばかりにあげた。
「わかっててあまやかしたのかい?わたしたちを」
『滅多にない機会だからね。それに普段の姿だと言いたいことも言えないだろう?』
その言葉に少しだけどきっとする。確かに…普段言えないことはたくさんある。私だけじゃなく他の皆もそうだろう。それを踏まえて…
「…どうやらわたしがおもっていたいじょうに、きみはあたまがまわるらしい」
『馬鹿にしてたのか〜?』
「まさか。きみのことはとまりぎにするほどにはきにいってるよ」
『気に入られてるのかけなされてるのか分からないなぁその例え』
本当さ。私は存外君を見ているのが面白い。美しくない時があるが、君の存在が私の興味を引き付ける。
「…で、このしせいだとかんちがいをひきおこしそうなしせいになるが、それでもいいのかな?」
『おっと危ない。危うく変人になるところだったね』
エースはおどけてベッドから降り、私に毛布をかけてドアの方へと戻る。そして『おやすみ』と言って電気を消した。
🐙俺はなーんにも知らねぇからな!→←🍎それは毒よりも危険なものだ
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月11日 21時