❤だから僕が君をご招待 ページ3
ジョンside
学校での生活は苦も無く楽も無くだ。困っている人の手伝いを目に見える範囲で行い、授業を受けて休み時間に友人と話し、そして帰る。
部活には入っていない。急な理由で帰国なんて事があったら大変になるかもしれないからだ。
「ジョン君って部活しないの〜?」
「サッカー部とかかっこいいんじゃない?」
『俺はスポーツ普通だし遠慮したいな』
「「え〜」」
時間も過ぎて放課後、俺は数名の女子に囲まれながら校門へと歩いていた。
俺は人気者なのだろう。興味本位か容姿目当てか、俺の周りには大体人が居る。特に女子が多い。何かしら寄ってきては俺を昼飯や放課後の遊びに誘ってくる。正直毎日寄ってこられると疲れる時もあった。
それでも誰かしら寄ってくるのは、この癖っ毛に近い焦げ茶の髪に水色の目なんて言う目立つ格好だからなのか?
「あ、ねぇねぇジョン君。今度の休みにディズニー行こうよ!」
『ディズニー?』
「うん!最近ハロウィンだから特別なパレードとかやってるんだよ!」
ディズニー…、今朝そのディズニーの土産貰ったばかりなんだけどな。
『ごめん、暫く予定立て込んでて無理かも』
「え〜!あ、じゃあハロウィンのどこかで一緒に行こ!」
「ずるい!私も行く!」
「じゃあ私も!」
『……気が向いたらで…』
女の子同士の言い争いほど怖いものはない。俺は早々に輪の中から抜け出して、一人校門へと足を進めた。
『ハロウィンね…』
ハロウィンなんて人がたくさんだろうに…行くだけでも大変そうな所には行きたくないな。
そう思いながら靴箱から靴を取り出すと、靴と一緒に何かがヒラリと落ちた。
『?』
拾い上げてみると、それは手紙だった。ご丁寧に赤い薔薇のシーリングスタンプが施された宛先無しの手紙。…心なしか薔薇の香りがする。まるであの夢の中で香ったような……
学校の女子からか?大方ラブレター…とか。流石に自意識過剰か。
『(…でも、もしかしたらってこともあるよな)』
家で開けようとも思ったが、もし今日の何処かで…なんて事もあり得る。中身の確認だけしようとスタンプを剥がし、封を切った。
中に入っていたのは白い紙切れ一枚。手紙だろう。その手紙を抜き取って、そっと開いてみた。
その瞬間、俺の目の前が真っ白になった。
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月11日 21時