嘘か真か果たしてどちらか【旅人 -空-】 ページ27
旅人side
「実はさ、俺、弟が居るんだよね」
「………知ってるけど」
璃月港近くの釣り場で一緒に釣りをしていた時、タルタリヤが変な事を言い出して驚いた。
彼に兄弟が多い事は勿論知っている。兄弟想い、家族想いなのも把握済みだ。
「いやいや、テウセルとか小さい子じゃなくてね?俺ぐらいの弟がファデュイに居るんだけど……」
「えっ、そうなの?」
「そうそう」
チャプ、と水の凪ぐ音が風に流されていく。じっと聞いていれば、タルタリヤは「相棒には話しておこうと思って」と笑った。
「長年空席だった第6位に最近着いたんだけど、嫌なぐらいそっくりな奴でさ。兄ちゃんに反抗的だわ、俺以上の戦闘意欲で殺しまくるわでもう手がつけられなくて……」
……へぇ、そうなんだ。………。
「ダウト」
「………あは、バレた?」
「流石に嘘だって分かるよ。エイプリルフールでしょ?」
そのぐらい知ってる。掛かった魚を釣り上げて手に取れば、タルタリヤは満足そうに笑って釣竿を引っ張り上げた。
「容易く流されないようで安心したよ、っと!」
「タルタリヤもそんな嘘つくんだね?」
「この位じゃないと相棒は騙せないだろう?最初は軽く信じてたんじゃないかい?」
「まぁ……少しだけね」
タルタリヤの事はまだまだ知らない事ばかりだし、家族の話なんて実は嘘かもしれない。
だからこそ全部を嘘と断言することだって出来ないんだ。彼が本当だと言っているから、その言葉を信じているだけで。
「まぁ本当にファデュイに弟が居たら……」
彼はそう言って、手にした大きな魚を俺に差し出した。
「とっくのとうに戦って、殺してるかもしれないね」
そう怪しく笑った顔を見たのは、少し前の事だ。
「……」
ドラゴンスパインの洞窟内。煌々と焚かれた焚き火の明るさに目を開けると、自分が眠っていた事を思い出した。
……毛布がかかってる……。
『漸くお目覚めかい?相棒』
タルタリヤの声がして、視線は声の方へと向く。
其処に見えたのは邪眼を使った彼のような真っ黒な姿をした、橙色の髪と黒い仮面を持つ紫の瞳の男性だった。
「……どのぐらい寝てた?」
『30分ぐらいかな。あれだけ探索したんだ、疲れてたんだろうね。魚を取ってきたけど、食べるかい?』
パチパチと焚き火で炙られた焼き魚を差し出す彼を見て、その優しさに少しだけ笑みを零した。
「ありがとう、ツヴェート」
『どういたしまして、俺の相棒』
4/1、新主人公…?
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ゆらぎ(プロフ) - いえいえ、全然オーケーです!!こちらこそ採用してくださりありがとうございます! (5月5日 1時) (レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - ゆらぎさん» コメントありがとうございます!エヴァは私があまりよく知らない作品でして……申し訳ありません……。ですがシチュエーションはとても良いと思いましたので、そちらを採用させて頂きます!満足にリクエストに応えられず申し訳ありません! (5月4日 10時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - リクエスト受理してくれてありがとうございます!またリクエストでエヴァンゲリオンってできますか?エヴァに取り込まれた主人公組とパイロットの恋人組、みたいな、、?無理を承知ですがお願いします! (5月3日 19時) (レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
orchid~オーキッド~ - ありがとうございます!よろしくお願いいたします! (5月1日 13時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - orchid~オーキッド~さん» リクエストありがとうございます!話数的に次回に回ると思いますが、書かせて頂きます! (5月1日 1時) (レス) @page50 id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2024年3月8日 21時