第四幕 -アカツキワイナリー- ページ8
フラッドside
まさか彼がそこまで考えていたなんて思っていなかった。僕一人の為にそこまで考えてくれているなんて、思いもしなかった。
『(自分にも危険が及ぶというのに、それでも僕の事をこうして守ってくれているのか)』
……優しいんだな、君は。
『納得したよ。ありがとうディルック』
「大した事はしていないさ」
彼はそう言って首を横に振るけど、僕からしたら大した事だ。
『そうすると、僕は君の弟になるのかな？』
「そうだね。……それと、これはあまり言いたくないんだが……ガイアも一応は君の義兄になる」
『ガイア？…あぁ、そう言えば…』
モンド城下で会った時、彼は自分を"義兄弟だった"と言っていたな。そうか、だから義兄に……。
「…君は」
『ん？』
どうしたんだ？何だか表情が険しいけど……。
「君はガイアから色々と僕の話を聞いていた、と言っただろう？……どんな話を聞いたのか、気になって」
彼はそう言って、じっと僕を見つめてきた。
真っ赤な瞳には色んな感情が浮かんでは消えていた。僅かに揺れる赤色は、何だか遠くを見ているようだった。
『…そうだな…』
ガイアとディルックが絶縁に近い程不仲なのは聞いている。でもそうなった理由までは聞いてなかったな……。
『仲が悪いのは聞いているよ。でもそれ以外は全くだ。ワイナリーのオーナーだとか、義兄だったとか、明らかにされている情報だけを話してくれたよ』
本当だ。嘘なんてついていない。
「……そうか」
彼は目を伏せて小さく息を吐いた。少し安心したような吐息だ。
「変な事を聞かされていたら否定しようと思っていたが……杞憂だったみたいだな」
ディルックは苦笑した。自分の事をあまり深く知られたくないんだろう。
『詮索する気はないから安心してくれ』
「あぁ、ありがとう。…そろそろ部屋に戻るかい？」
『いいや、もっと話していたいな。君との会話はとても面白い』
「そうか。ならこうしよう」
彼が真っ直ぐ僕を見る。赤い瞳が僕を捉えると、ふわりとその顔は優しい微笑に変化した。
「君さえ良ければ、食後こうして話さないか？お互いに知りたい事が沢山あるだろうし。…仕事があまり立て込んでいなければ、だけど……」
それは……。……っはは、良い提案だ。
『喜んで』
沢山話そう。時間が許す限り沢山。そうしたらきっと、僕達は少しでも仲良くなれるだろう。
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九龍(プロフ) - 暁月臨さん» コメントありがとうございます！風邪をひかない内に更新しますので、服を着る準備もしてくださいねー！ (3月28日 10時) (
レス) @page38 id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - あ…あ…尊いです語彙力なくて申し訳ないですけど本当に好きです…(脳死)更新全裸土下座で待機させていただきます…！！！ (3月28日 4時) (レス) @page38 id: efeff932b9 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - もにもちさん» これからディルックさんはどうなるのか…楽しみにして頂けると嬉しいです！フラッド君は今張り切ってますので絶好調ですね！これからも戦い続けますよー！適度に休んだりしていますのでご心配なくー！ですがお声掛けして下さりありがとうございます！ (12月23日 22時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - いやぁ、、、ディルック様気付き始めましたねぇ、、ふふふ、、、フラッド君強すぎじゃありませんこと？もう大好きなんですけど、まじで。はい。、、、ほ、本当に大丈夫ですか？体調とか時間とか、、、理由はなにかれ、なんであれ自分の体を労ってあげてください！！ (12月23日 21時) (レス) @page26 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - えめっちゃ続きが気になる〜！！神作品2個目、そして更新ありがとうございます！これからも頑張って下さい！体調には気をつけて。 (12月10日 6時) (レス) @page16 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2023年12月6日 1時
