第六幕 -決意の明星- ページ39
フラッドside
僕のモンドを巡る旅は、最悪の形で終わってしまった。
それでも僕にとってはとても有意義で実りのあるものになった。それだけは確かだ。
『ん゛ん゛ん゛〜……！』
僕が怪我をして3日後の気持ちの良い昼下がり。僕はワイナリーの裏手にある小さな花壇の前にしゃがんで、水やりがてら元素力の調整訓練をしていた。
掌に水元素を集めて、アビスの力を抑える。後はゆっくり…じょうろで水をかけるように水やりを……
『うわっ！？』
ぱしゃんと集まった水が掌の上で弾け飛ぶ。驚いて尻もちをついてしまった僕に、弾け飛んだ水がかかって全身をぐっしょりと濡らしてしまった。
『……はぁ……。また失敗だ……』
集めるのは上手くいく。アビスの力を取り除いて無害な元素力にする事も出来るようになった。でも応用がイマイチなんだ。
『(簡単な武器への形状変化はできる。眷属の召喚もできる。後は日常的な事に使えれば良いんだけどな……)』
まだまだ未熟、という事なんだろうか。だからあの時も……。
『……』
脇腹を押さえると、まだうっすらと痛みが走った。
僕が倒れてしまった日。あの時偶然居合わせたディルックによって、脇腹の傷は彼の炎で焼かれていた。
これ以上出血しないようにと彼が応急処置として傷口を焼いたらしい。今でも巻かれている包帯の下には、酷い火傷痕が広がっているんだろう。
でも恐れる事は無い。この火傷は彼が僕を救おうとして付けてくれたものだ。寧ろ嬉しかったりする。
『(ありがとう、ディルック)』
次は失敗しない。その為にも強くならないと。
「此処に居たのか。安静にしてないと駄目だろう」
『……！ディルック！』
やってきた彼の方を見れば、ディルックは呆れた様子で手を差し伸べてくれた。
「まだ本調子じゃないだろう。元素力を使って大丈夫なのか？」
『大丈夫。体調も良いし怪我にも響かないようにしているから』
「なら良いが……無理だけはしないでくれ」
……。
『ディルック』
「ん……？」
『よく僕の心配をしてくれるけど……そんなに頼りないかい？』
問いかけると、突然ディルックが歩みを止めた。
『あ……いや、すまない。気に障ったのなら謝るから』
「＿＿＿から」
『え……？』
「君が、心配だから」
それだけ言って彼は歩き出す。僕の手を引く彼の耳が、心なしか赤く色づいている気がした。
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九龍(プロフ) - 暁月臨さん» コメントありがとうございます！風邪をひかない内に更新しますので、服を着る準備もしてくださいねー！ (3月28日 10時) (
レス) @page38 id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - あ…あ…尊いです語彙力なくて申し訳ないですけど本当に好きです…(脳死)更新全裸土下座で待機させていただきます…！！！ (3月28日 4時) (レス) @page38 id: efeff932b9 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - もにもちさん» これからディルックさんはどうなるのか…楽しみにして頂けると嬉しいです！フラッド君は今張り切ってますので絶好調ですね！これからも戦い続けますよー！適度に休んだりしていますのでご心配なくー！ですがお声掛けして下さりありがとうございます！ (12月23日 22時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - いやぁ、、、ディルック様気付き始めましたねぇ、、ふふふ、、、フラッド君強すぎじゃありませんこと？もう大好きなんですけど、まじで。はい。、、、ほ、本当に大丈夫ですか？体調とか時間とか、、、理由はなにかれ、なんであれ自分の体を労ってあげてください！！ (12月23日 21時) (レス) @page26 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - えめっちゃ続きが気になる〜！！神作品2個目、そして更新ありがとうございます！これからも頑張って下さい！体調には気をつけて。 (12月10日 6時) (レス) @page16 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2023年12月6日 1時
