第六幕 -決意の明星- ページ38
ディルックside
執務室に戻った僕は、机の引き出しから"それ"を取り出して見ていた。
「"ディルックさん、ちょっといいかな"」
フラッドの治療をアデリンや他の者に任せて彼の安否を願っていた時、旅人が恐る恐ると言ったように声を掛けてきたんだ。
「"どうした？"」
「"気になる物を拾ったから、ディルックさんに渡しておこうと思って…"」
彼はそう言って手にした袋から"それ"を取り出して僕に渡してきた。
それはヒルチャールの使っている仮面だった。使い込まれて汚れた仮面を受け取ると、旅人は「"裏を見て欲しい"」と仮面を指差した。
「"……！これは……"」
仮面の裏。そこには仮面に描かれた模様とは違う、真っ赤な模様が刻まれていた。
「"フラッドさんが相手してた暴徒の仮面なんだけど、どれだけ攻撃しても痛くないって感じで動いてたんだ。フラッドさんもそれで不意を突かれたんだと思う"」
「"この模様が、その異常を引き起こしていると…？"」
「"うん。他の仮面を見てもそんな模様無かったんだ。様子のおかしかった暴徒の仮面だけに描かれてあったから、絶対何かあると思う"」
その模様は確かに嫌な感じがした。じっくりと観察しても、塗料で描かれたものではない事は明らかだった。
赤色に輝くそれを指でなぞれば、火で炙られたようなチリチリとした痛みが伝わったのを今でも憶えている。
「(あれは炎だ。炎で刻まれた模様だった)」
異常なヒルチャール暴徒の行動。炎元素を含む模様が描かれた仮面。この2つだけでも大体の見当はつく。
そしてそんな芸当ができるのは……奴らしか居ない。
「……アビスか」
嗚呼、やはりついて回るのか。深淵の影は彼をとことん追い詰めたいらしい。
「(あの夜の襲撃もアビスの手引きだとしたら……)」
だとしたら、尚許しがたい。
僕の大切な人に手を出したんだ。必ず犯人を引きずり出して、死すら軽く思えるような苦痛を与えてやろう……っ！
「(まずは情報収集だ。出来るだけ僕の方でも動かないと)」
さて、まずはどう動くべきか……。
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九龍(プロフ) - 暁月臨さん» コメントありがとうございます！風邪をひかない内に更新しますので、服を着る準備もしてくださいねー！ (3月28日 10時) (
レス) @page38 id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - あ…あ…尊いです語彙力なくて申し訳ないですけど本当に好きです…(脳死)更新全裸土下座で待機させていただきます…！！！ (3月28日 4時) (レス) @page38 id: efeff932b9 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - もにもちさん» これからディルックさんはどうなるのか…楽しみにして頂けると嬉しいです！フラッド君は今張り切ってますので絶好調ですね！これからも戦い続けますよー！適度に休んだりしていますのでご心配なくー！ですがお声掛けして下さりありがとうございます！ (12月23日 22時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - いやぁ、、、ディルック様気付き始めましたねぇ、、ふふふ、、、フラッド君強すぎじゃありませんこと？もう大好きなんですけど、まじで。はい。、、、ほ、本当に大丈夫ですか？体調とか時間とか、、、理由はなにかれ、なんであれ自分の体を労ってあげてください！！ (12月23日 21時) (レス) @page26 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - えめっちゃ続きが気になる〜！！神作品2個目、そして更新ありがとうございます！これからも頑張って下さい！体調には気をつけて。 (12月10日 6時) (レス) @page16 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2023年12月6日 1時
