第五幕 -己の進むべき道- ページ29
フラッドside
「オイラずっと思ってたんだけど…」
ダダウパの谷を無事抜けて西へ歩いていた時、パイモンが僕の隣に来てこう話しかけてきた。
「お前の水元素って、神の目じゃなくてアビスの操る元素力なんだよな？」
『そうだけど……それが何か？』
「お前がちょっと前に"元素力に混じるアビスの力を制御できるようになった"って言ってただろ？それってどういう事なのかなって思って……」
……そのままの意味なんだが……彼女には少し理解が難しかったのかな？
『そのままの意味だ。僕の操る元素力にはまた別のアビスの力が働いているみたいでね。よくは分からないが、その力が僕の操る水元素に腐蝕の力を与えているみたいなんだ』
「元素力とは別のアビスの力？」
『その力がどういうものなのかは僕自身も把握していないんだ。だけどその力を制御できるようになったら、神の目のように純粋な元素力だけを引き出して操れると思っている。そうすれば無闇に腐蝕の水をばら撒かなくて済むだろう？』
「あ、それで特訓を…」
『そういう事だ』
手を出せばふわりと水滴が現れる。ゆらゆらと揺れる水滴を眺めながら、僕は話を続けた。
『特訓でその力の切り替えは出来るようになったんだ。後は微調整が出来るようになれば良いんだけど…中々難しくてね』
もっと上手に操れるようになりたい。その為にはもっと自分の事を知らないといけないのに、僕には記憶が無いからな……。
「そっか。フラッドさんも頑張ってるんだ」
旅人がニッと笑いかける。その笑顔はとても無邪気で、見ている僕の心を暖かくしてくれた。
『当然だ。僕は皆を守れるぐらい、強くなりたいからね』
指先で水滴を弄んで宙へと放つ。浮かんだ水滴は小さな鯱に変わり、旅人やパイモンの周りを楽しそうに泳ぎ始めた。
「わっ！？何だコイツ！？」
『僕の作った眷属だ。触れても問題無いから触ってみるといい』
僕の言葉に旅人がそろりと手を伸ばす。鯱は彼の手に擦り寄って「キュウ」と愛らしい鳴き声をあげた。
「ふふ、可愛い……」
『気に入ってくれたかな？』
「うん！」
それは良かった。さっきの襲撃の件もあるし、暫くはこの子に周囲を見張ってもらおう。
『……っ』
…さっきの戦闘で無理をし過ぎたか……っ？
「…？フラッドさん大丈夫？少し疲れちゃった？」
『……いいや、問題無い。先を急ごう』
苦しい胸の痛みを抑えるように堪えて、宙を泳ぐ水の鯱と戯れる彼らの後を追った。
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九龍(プロフ) - 暁月臨さん» コメントありがとうございます！風邪をひかない内に更新しますので、服を着る準備もしてくださいねー！ (3月28日 10時) (
レス) @page38 id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - あ…あ…尊いです語彙力なくて申し訳ないですけど本当に好きです…(脳死)更新全裸土下座で待機させていただきます…！！！ (3月28日 4時) (レス) @page38 id: efeff932b9 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - もにもちさん» これからディルックさんはどうなるのか…楽しみにして頂けると嬉しいです！フラッド君は今張り切ってますので絶好調ですね！これからも戦い続けますよー！適度に休んだりしていますのでご心配なくー！ですがお声掛けして下さりありがとうございます！ (12月23日 22時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - いやぁ、、、ディルック様気付き始めましたねぇ、、ふふふ、、、フラッド君強すぎじゃありませんこと？もう大好きなんですけど、まじで。はい。、、、ほ、本当に大丈夫ですか？体調とか時間とか、、、理由はなにかれ、なんであれ自分の体を労ってあげてください！！ (12月23日 21時) (レス) @page26 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - えめっちゃ続きが気になる〜！！神作品2個目、そして更新ありがとうございます！これからも頑張って下さい！体調には気をつけて。 (12月10日 6時) (レス) @page16 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2023年12月6日 1時
