第五幕 -己の進むべき道- ページ27
旅人side
遺跡守衛に会わないように細心の注意を払いながら歩いていく。西へ西へと進んで行けば、無数の剣が連なる大きな池のある場所まで辿り着いた。
「もうすぐで谷を出られると思う…!」
此処を出れば後は真っ直ぐ進むだけだ。遺跡守衛以外の強い敵とも会わなかったし、このまま何事も無く進めたら良いな。
「後少しだから__」
"後少しだから頑張ろう"。そう声をかけようと振り返った瞬間、
『屈んで』
フラッドさんの声が聞こえて、ぐっと頭を押さえつけられるように地面へと押し込まれた。
俺を抑え込むように屈む彼の背中の上を大きなミサイルが何発も飛んでいく。突然の事に驚いていた俺も、その攻撃で何が来たのか瞬時に理解できた。
「わぁああっ!?来たぞっ、アイツだ!」
パイモンが指差した方向には、一番会いたくない機械の巨体が見えた。
輝く一つ目が縮小して俺達を捉える。機械音を奏でて此方に踏み出してくる遺跡守衛を前に、俺はすぐに立ち上がって剣を振り抜いた。
「パイモンは下がって!フラッドさんは援護を!」
俺が何とかしないと…!せめて二人だけでも逃さなきゃ…!
『下がるのは君だ』
ガリガリと、剣が地面を削る音がした。
『あれが遺跡守衛か。思っていたより小さいじゃないか』
十字架を模したような黒と青の両手剣が地面を削る。大きな両手剣を引きずりながら、フラッドさんは俺とパイモンの前に立った。
「フラッドさんっ!」
『大丈夫。清泉町の時より僕も強くなったんだ。其処で見ていてくれ』
遺跡守衛がクルリと背中を向ける。内蔵されたミサイルに火が付いた瞬間、フラッドさんは剣を振り切って駆け出した。
「危ないっ!!」
ミサイルが飛んでいく。俺も飛び出して彼の背中を追うけど、ミサイルは全て先を走るフラッドさんへと向かっていた。
当たる。このままじゃ確実に……っ!
爆発が辺りを焼き尽くす。爆風を元素スキルで掻き消しながら前に進むと、傷一つ無いフラッドさんが跳躍するのが見えた。
彼の手にあの両手剣は無い。代わりに見えたのはレイピアのように細く美しい__
透き通った水でできた、一対の双剣だった。
108人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
九龍(プロフ) - 暁月臨さん» コメントありがとうございます!風邪をひかない内に更新しますので、服を着る準備もしてくださいねー! (3月28日 10時) (レス) @page38 id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - あ…あ…尊いです語彙力なくて申し訳ないですけど本当に好きです…(脳死)更新全裸土下座で待機させていただきます…!!! (3月28日 4時) (レス) @page38 id: efeff932b9 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - もにもちさん» これからディルックさんはどうなるのか…楽しみにして頂けると嬉しいです!フラッド君は今張り切ってますので絶好調ですね!これからも戦い続けますよー!適度に休んだりしていますのでご心配なくー!ですがお声掛けして下さりありがとうございます! (12月23日 22時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - いやぁ、、、ディルック様気付き始めましたねぇ、、ふふふ、、、フラッド君強すぎじゃありませんこと?もう大好きなんですけど、まじで。はい。、、、ほ、本当に大丈夫ですか?体調とか時間とか、、、理由はなにかれ、なんであれ自分の体を労ってあげてください!! (12月23日 21時) (レス) @page26 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - えめっちゃ続きが気になる〜!!神作品2個目、そして更新ありがとうございます!これからも頑張って下さい!体調には気をつけて。 (12月10日 6時) (レス) @page16 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年12月6日 1時