第五幕 -己の進むべき道- ページ26
旅人side
凄い……フラッドさんがヒルチャールと話してる……。
茂みの陰から様子を窺っていたけど、集落からは警戒の色も無く賑やかな明るさが響いていた。
ヒルチャール達の中で楽しげに話すフラッドさんの姿は、改めて彼が俺達とは違う世界の人なんだと実感させてくれた。
「凄いな旅人…！アイツあんなに沢山のヒルチャールに囲まれてるのに、平気で話してるぞ…！」
「うん……。本当に凄いな、フラッドさんは……」
俺達はいつも構わず突撃して戦いに行ってるのに、彼は交渉しに行った。根本的に相手への姿勢が違うんだ。
「(そっか。アビスの魔物はヒルチャールの言語に精通してる。だから彼らを操って戦ったり、一緒に行動したりするんだっけ……)」
……待って、じゃあ俺……。
「旅人？」
「……俺、酷い事させようとしてたのかな」
彼はヒルチャールの言葉が分かる。それはもし彼らと戦っていたら、ヒルチャール達の"死の叫び"を聞く事になったかもしれなかったという事だ。
言語が分からないだけでも人は壁を作る。魔物と人間であればそれは天と地程の差ができる。俺はそれが当たり前だと思って、彼もそうだと思ってた。
でも本当は違うのかもしれない。もし戦っていたら…きっと彼に嫌な経験をさせたかもしれない。
"助けて"。"死にたくない"。そんな声を聞くのは……何よりも深い心の傷になる。
「あ、戻ってきたぞ！」
地面に落としていた視線を上げると、フラッドさんが『待たせたね』とやり切った顔をして戻ってきた。
その手に握っているのは金色の小さな鍵だ。
『この鍵で合ってるかな？』
「うん、その鍵で合ってる！ありがとうフラッドさん…！」
『どういたしまして。それと彼らから一つ情報を貰ったよ』
「情報…？」
フラッドさんは顔を顰めて頷いた。その表情は貰った情報があまり良くないものだと物語っていた。
『この周辺で最近遺跡守衛とやらを見るようになったらしい。あの集落のヒルチャールも数名やられていると言っていた』
「うげっ！？あのロボットがこの辺りに居るのか！？」
遺跡守衛が…！？この付近じゃ見かけない筈なのに……っ。
『僕はそのロボットを見た事が無いから、見かけたらすぐ教えてくれ』
「分かった！じゃあオイラがお前の傍についてってやるぞ！何か見えたらすぐ教えてやる！」
『ありがとうパイモン、助かるよ』
遺跡守衛……。俺とフラッドさんなら何とか戦える、かな。何かあったら、俺がしっかりやらないと…！
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九龍(プロフ) - 暁月臨さん» コメントありがとうございます！風邪をひかない内に更新しますので、服を着る準備もしてくださいねー！ (3月28日 10時) (
レス) @page38 id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - あ…あ…尊いです語彙力なくて申し訳ないですけど本当に好きです…(脳死)更新全裸土下座で待機させていただきます…！！！ (3月28日 4時) (レス) @page38 id: efeff932b9 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - もにもちさん» これからディルックさんはどうなるのか…楽しみにして頂けると嬉しいです！フラッド君は今張り切ってますので絶好調ですね！これからも戦い続けますよー！適度に休んだりしていますのでご心配なくー！ですがお声掛けして下さりありがとうございます！ (12月23日 22時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - いやぁ、、、ディルック様気付き始めましたねぇ、、ふふふ、、、フラッド君強すぎじゃありませんこと？もう大好きなんですけど、まじで。はい。、、、ほ、本当に大丈夫ですか？体調とか時間とか、、、理由はなにかれ、なんであれ自分の体を労ってあげてください！！ (12月23日 21時) (レス) @page26 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - えめっちゃ続きが気になる〜！！神作品2個目、そして更新ありがとうございます！これからも頑張って下さい！体調には気をつけて。 (12月10日 6時) (レス) @page16 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2023年12月6日 1時
