第五幕 -己の進むべき道- ページ19
フラッドside
その提案は唐突で、でもとても嬉しいものだった。
『僕と一緒に旅を…？』
「うん。フラッドさんが特訓を始めたって聞いたから、力になれると思って誘いに来たんだ」
彼はそう言って葡萄ジュースを一口飲んだ。
一階のホールでディルックと共に二人の話を聞いていたが、まさか旅の誘いを受けるとは……。
『(確かに今の実力が実戦で通用するのかは気になるし、サバイバルでの知識も身につく。でもそれをディルックが許してくれるのか……？)』
旧とはいえ僕は貴族家の人間だ。此処に来てから必死でマナーと礼節を叩き込んだ身からしたら、野営なんて絶対に拒まれる行為だが……。
「フラッドが行きたいなら行くといい。僕は止めないよ」
彼はそう言って、あっさりと旅に出る事を了承してくれた。
『ほ、本当に良いのかい？』
「あぁ。仕事も僕が調整しておくから気にしなくていい。それに君はまだこのモンドを歩き回った事が無いだろう？」
確かに……。清泉町とモンド城下、このワイナリー近辺ぐらいしか歩いたことないな……。
「ただ一つ気をつけて欲しい事がある。旅人、彼は確かに強くなったが実戦すらしていない人間だ。戦闘になったら無理せず撤退も視野に入れて欲しい。もしもの時は遠慮無く僕に連絡してくれ」
「分かった。危なくなったらすぐに連絡する」
「ありがとう。…それと、フラッド」
ディルックが僕を呼ぶ。隣に見えた赤い炎の目は優しく緩んで、微笑みは慈愛に満ちていた。
「戻ってきたら、沢山旅の話をしてくれ。約束だ」
『…！あぁ…！』
旅、それは初めての経験だ。自分の力でやらなければいけない事が沢山ある。今までのように、誰かに頼ってばかりじゃいけない。
『旅人、パイモン』
「ん？」
「何だ？」
『…その…』
役に立たないかもしれない。それでも……っ。
『よろしく頼む……！』
精一杯出来る事を、やってみせる…！
「うん、此方こそ宜しくね」
「へへっ、明日が楽しみだぞ！」
二人はそう言って楽しげに笑った。あぁ、緊張する。でも…うん、僕も楽しみだ。
初めて、僕は強くなる為に友達と旅に出るんだ。
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九龍(プロフ) - 暁月臨さん» コメントありがとうございます！風邪をひかない内に更新しますので、服を着る準備もしてくださいねー！ (3月28日 10時) (
レス) @page38 id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - あ…あ…尊いです語彙力なくて申し訳ないですけど本当に好きです…(脳死)更新全裸土下座で待機させていただきます…！！！ (3月28日 4時) (レス) @page38 id: efeff932b9 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - もにもちさん» これからディルックさんはどうなるのか…楽しみにして頂けると嬉しいです！フラッド君は今張り切ってますので絶好調ですね！これからも戦い続けますよー！適度に休んだりしていますのでご心配なくー！ですがお声掛けして下さりありがとうございます！ (12月23日 22時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - いやぁ、、、ディルック様気付き始めましたねぇ、、ふふふ、、、フラッド君強すぎじゃありませんこと？もう大好きなんですけど、まじで。はい。、、、ほ、本当に大丈夫ですか？体調とか時間とか、、、理由はなにかれ、なんであれ自分の体を労ってあげてください！！ (12月23日 21時) (レス) @page26 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - えめっちゃ続きが気になる〜！！神作品2個目、そして更新ありがとうございます！これからも頑張って下さい！体調には気をつけて。 (12月10日 6時) (レス) @page16 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2023年12月6日 1時
