君の事だけで天候すら変わる【ヌヴィレット】 ページ46
ラヴィーネside
『すまなかった。アンタをビビらせるつもりは、無かったんだ』
パレ・メルモニアにあるヌヴィレットの部屋。ソファに腰掛けながら紅茶を飲めば、ヌヴィレットは少しつんとした顔で、そっぽを向いた。
「私はこの長い寿命が縮むような思いをしたのだが」
『それは、その…本当に申し訳無いと、思ってる……』
ま、まさか昼寝中に首だけ擬態が緩むとはな……。おかげで機嫌損ねて、外が雷雨になっちまった……。
『(本当にヌヴィレットの機嫌は分かりやすいな……)』
これはかなり怒っている時の天気だ。それぐらい不安になって、心配してくれた証拠。
『……不安にさせてすまなかった』
カップを置いて、真っ直ぐ彼を見る。執務机で書類を書いていたヌヴィレットが、チラリと俺に視線を向けてきた。
『でも、アンタがそんなに心配してくれて、ちょっと嬉しい』
ヌヴィレットは感情が出にくい。行動で示す事も少ない。
でも天気は彼の表情をより濃く映し出す。あの土砂降りの雨は、俺の為に流してくれた涙だろ？
『ありがとな』
俺の為に泣いてくれるんだな、アンタは。
「……ラヴィーネ殿」
『ん？』
彼が万年筆を置いて、こっちにやって来る。隣に座ると、ヌヴィレットはじっと俺を見てきた。
「もう二度と、あのような真似はしないように」
……あー…これは、相当トラウマに、なったみたいだな……。不安そうで、ちょっと震えてる…。
『分かった。寝るとしても、アンタの前だけにする』
「……ん」
ぎゅっとヌヴィレットが抱きついてくる。彼の頭をポンポンと撫でていれば、窓の外が明るくなっているのが見えた。
晴れたのか。つまり、
『(許してくれた……って事か)』
可愛い恋人だと思う。顔には出ないけど、口で伝える事も苦手なヤツだけど。
『(それでもこうやって気持ちが見え見えなんだから、本当に可愛い人だよな)』
隣にある真っ白な髪に擦り寄ったら、「クルル…」と彼の喉から甘え鳴きの声が漏れた。
『…っはは！可愛いな、アンタ』
「…嬉しくないな」
『嘘つけ』
こんなに晴れてるじゃないか。あぁ、全く。
『やっぱり好きだなぁ』
「愛しているではないのか」
『勿論、愛しているとも』
微かに鳴き声を漏らして甘えるヌヴィレットは、そのまま気が済むまで、ずーっと俺に抱きついて甘えてきて。
その間空は、あの豪雨が嘘だったかのように晴れ渡った。
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orchid〜オーキッド〜 - 最高です！かなり無茶なリクエストしたのにも関わらずクオリティ高いものを用意して頂いてありがとうございます！これからの活動もすっごく楽しみにしています！ (12月11日 13時) (
レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - ヤァバァイもう天才ですかあなたは！！天才ですね！！めっちゃうるっと来ましたよ〜！泣 はぁ！今日も頑張れそうです！更新ありがとうございます！これからも頑張ってください！！ずっと応援してます！あ、体調には気をつけて。 (12月11日 6時) (レス) @page44 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
orchid〜オーキッド〜 - 九龍さん» ありがとうございます！もし何か分からないことあったら教えてください！ (12月10日 21時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
雷デット - ありがとうございます!! (12月10日 19時) (レス) id: d5e1296c27 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - 雷デットさん» リクエストありがとうございます！書かせて頂きます〜！ (12月10日 17時) (レス) id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2023年12月3日 22時
