《リクエスト》胸の内の想いを咲かせて-5-【リオセスリ&ヌヴィレット】 ページ43
ラヴィーネside
花を贈る。それが人の間では、感謝を伝える行為になっているらしい。
俺はそれを知って、それならばと早速、行動に出る事にした。
「呼び出されてみれば…アンタも居るとはな、ヌヴィレットさん」
「む…公爵殿も呼び出されていたのか」
「あぁ。それにしても"ルキナの泉の前に来てくれ"なんてな。それに人も居ないように見えるが……」
来た。ちゃんと来た。二人共忙しいのに、俺の為に。
準備はできている。皆の協力も得た。フリーナにも、色々教わった。
後は、俺の頑張り次第。
『どうもお二人さん、待ってたぜ』
リオセスリみたいに声を出して、泉の噴水の上に立つ。二人の視線が俺を追うように向けられて、キョトンとした顔が面白くて、ちょっとだけ笑ってしまった。
「ラヴィ!どうしたんだそんな所に立って」
「子爵殿、其処は危険だから此方に…」
『今日はアンタ達に贈り物があってな。他の役者には退場してもらったんだ』
それは何処にもないもの。俺だけが贈れるもの。
二人に感謝の意を示すには、丁度良い。
『まずは二人に感謝を。この俺を拾い上げ、育て、支え、沢山の出会いをくれて、ありがとう』
足元の水は凍っていく。この力も、二人から貰ったものだ。
『その感謝の心を、二人に贈ろう。俺の全てをもって』
背後で噴水が吹き上がる。高く、広く、どこまでも。
舞い上がる水飛沫の中、目を見張る二人の前で胸に手を添えて、深々と頭を下げる。
『濁水精霊、子爵、ラヴィーネ。これより最大の敬意と愛情を、二人に!』
俺の精一杯の気持ちを、二人に。
「…これは……」
「……!」
体を水に戻して、噴水の水に溶けていく。そしてそのまま、吹き上がる水の一滴一滴全てを水の花へと変えて、神の目を使って凍らせる。
降り注ぐは濁水纏う氷の花。二人が育て花咲かせたこの花を、空いっぱいに!
「……っはは!これは…最高のマジックだな」
「…あぁ……」
花は二人の手に落ちる。小さな花の雨の下、二人は嬉しそうに笑顔を浮かべる。
そんな二人の背後でちょっとだけ水を集めて体を作って、水の下と水の上、それぞれの姿で。
『『リオセスリ!/ヌヴィレット!』』
「っと!」
「…!…ふふ」
二人に抱きついて、花の雨の下、めいっぱいの気持ちと共に。
『『これからも、宜しく!』』
たった一つの氷の花は、アンタ達だけに贈るものだ。
《花を贈る主人公達》orchid様、リクエストありがとうございました!
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orchid〜オーキッド〜 - 最高です!かなり無茶なリクエストしたのにも関わらずクオリティ高いものを用意して頂いてありがとうございます!これからの活動もすっごく楽しみにしています! (12月11日 13時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - ヤァバァイもう天才ですかあなたは!!天才ですね!!めっちゃうるっと来ましたよ〜!泣 はぁ!今日も頑張れそうです!更新ありがとうございます!これからも頑張ってください!!ずっと応援してます!あ、体調には気をつけて。 (12月11日 6時) (レス) @page44 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
orchid〜オーキッド〜 - 九龍さん» ありがとうございます!もし何か分からないことあったら教えてください! (12月10日 21時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
雷デット - ありがとうございます!! (12月10日 19時) (レス) id: d5e1296c27 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - 雷デットさん» リクエストありがとうございます!書かせて頂きます〜! (12月10日 17時) (レス) id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年12月3日 22時